総合型選抜の課外活動を調べると、部活動やボランティア、留学など、いろいろな例が出てきます。それを見て、「結局どれを選べばいいのか」「大会実績や役職がないと弱いのか」と迷う人もいるでしょう。
課外活動は、珍しさだけで選ぶものではありません。これまで続けてきたことや、自分が気になっている分野から探すこともできます。
この記事では、総合型選抜で使われる課外活動の主な種類と、活動を選ぶときに確認したいポイントを紹介します。
課外活動は部活やボランティアだけではない

部活動、生徒会、文化祭の運営、探究学習などは学校内の活動です。学校外では、地域活動、留学、コンテスト、インターン、資格取得などが考えられます。アルバイトや家業の手伝い、個人で続けている創作活動を伝えられる場合もあります。
ただし、何を活動実績として提出できるかは、大学や選抜方式によって異なります。文部科学省は大学入学者選抜の資料として活動報告書のイメージ例を公開していますが、すべての大学が同じ様式や基準を使うわけではありません。
まずは志望校の募集要項を開き、活動報告書の有無、記入できる期間、必要な証明書類を確認してください。
学校内で取り組める課外活動

学校生活を振り返ると、課外活動として整理できる経験が見つかることがあります。特別な役職がなくても、自分が何を考え、どう動いたかを思い出してみてください。
部活動
運動部でも文化部でも、部活動は課外活動の一つです。大会成績や部長経験だけでなく、練習方法を見直したこと、後輩を支えたこと、メンバーを増やすために工夫したことも振り返れます。
たとえば、試合に出られなかった経験から、チーム全体の練習記録を作った人もいるでしょう。その場合は、レギュラーだったかどうかより、困っていたことに対して何をしたかが具体的な材料になります。
生徒会・委員会・学校行事
生徒会、委員会、文化祭や体育祭の運営も学校内の活動です。役職名だけでは、その人が実際に何をしたのかまでは分かりません。
意見がまとまらないときに話し合い方を変えた、準備の遅れを防ぐために担当表を作ったなど、自分が関わった場面まで整理します。うまくいかなかった経験も、その後の対応まで説明できれば振り返りの材料になります。
探究学習・研究活動
探究学習は授業として行う場合もありますが、出願書類の活動欄などで扱えることがあります。
大切なのは、立派な発表テーマを掲げることではありません。自分で疑問を持ち、調べ、人に話を聞き、当初の予想を見直した過程があるかを確認します。テーマ選びで止まっている場合は、関連記事の「探究学習のテーマが思いつかない?身近な疑問からテーマを決める方法」も参考にしてください。
学校外で取り組める課外活動

学校外の活動には、地域で参加できるものから、企業や海外で取り組むものまであります。活動名だけでは内容が分からないため、参加先で自分が何を担当できるのかまで確認しましょう。
| 種類 | 具体例 | 振り返りたいこと |
|---|---|---|
| ボランティア・地域活動 | 清掃、福祉、防災、地域イベント | 参加した理由と現場で気づいたこと |
| 留学・国際交流 | 語学研修、ホームステイ、交流企画 | 現地で自分から行動した場面 |
| コンテスト・発表 | ビジネス、科学、作文、映像 | 準備、工夫、結果を受けた改善 |
| インターン・職業体験 | 企業、自治体、店舗での活動 | 任された役割と仕事への関わり方 |
| 資格・語学学習 | 英検、簿記、プログラミング | 取得した目的と学習の続け方 |
| 個人・家庭での活動 | 創作、情報発信、アルバイト、家業 | 続けた理由と自分なりの工夫 |
ボランティアなら、参加回数を増やせばよいわけではありません。なぜその活動を選んだのか、現場を見る前と後で考えがどう変わったのかまで振り返ります。
留学やインターンも同じです。「海外へ行った」「企業を訪問した」だけで終わらず、誰と関わり、何を任され、困ったときにどう動いたかを話せる活動かどうかがポイントです。
活動の種類だけで評価は決まらない

たとえば武蔵大学は、総合型選抜で、主体的に探究した成果や学ぶ意欲を出願書類から評価するとしています。面接やプレゼンテーションでは、主体性、対話力、協働性なども確認しています。詳しくは武蔵大学のアドミッション・ポリシーをご覧ください。
また、埼玉大学の一部の総合型選抜では、活動報告書だけでなく、志望理由書、レポート、小テスト、面接などを組み合わせて選考しています。詳しくは埼玉大学のアドミッション・ポリシーをご覧ください。
活動実績だけで合否が決まるわけではありません。まず募集要項とアドミッション・ポリシーを読み、その大学が何を、どの方法で確認しているのかを見てください。
課外活動を選ぶときに確認したい4つのこと

選ぶ前に、次の4点を確認してみてください。
自分が少しでも気になる分野か
最初から将来の仕事まで決める必要はありません。「外国の人と話してみたい」「地域のお店が減っている理由を知りたい」など、今の関心から始められます。
自分が担当することがあるか
説明を聞くだけ、見学するだけの活動では、自分で考えて動く場面が限られます。企画、調査、運営、制作、販売など、参加者に具体的な役割があるかを確認します。
試して、結果を見直せるか
最初からうまくいく必要はありません。やってみた結果を見て、方法を変え、もう一度試せる活動なら、自分の判断や変化を振り返りやすくなります。
活動の記録を残せるか
活動日、担当したこと、困ったこと、考えたこと、結果をその都度メモしておきます。写真、制作物、発表資料、主催者が発行する証明書なども、必要に応じて保管してください。
活動実績が少ないなら今までの経験を振り返る

文化祭で当日の案内を担当した、部活動で新入生の練習を手伝った、家の店が忙しい日に接客をした、趣味で作品を作って公開した。このような経験も、何を考えて動いたのかまで振り返ると、伝えられる材料が見つかることがあります。
反対に、実績を増やすためだけに単発の活動へ次々と参加しても、一つひとつの経験が浅くなる場合があります。すでに取り組んだことがあるなら、まずはその経験を掘り下げてみましょう。
活動の選び方や整理方法は、関連記事の「総合型選抜の活動実績は何が使える?目立つ実績がない場合の考え方」でも詳しく紹介しています。
学校外の実践活動は内容まで確認する

学校外のプログラムを選ぶときは、「海外研修」「ビジネス体験」といった名前だけで決めず、実際の日程を確認してください。同じ名前でも、講義を受ける時間が中心のものもあれば、参加者が現場で役割を持つものもあります。
私たちが運営するサムライカレーの高校生プログラムでは、複数名のチームで現地調査を行います。どのような商品なら売れるか仮説を立て、商品、価格、販売方法を考える流れです。その後は実際に店頭で販売し、チームで売上にも責任を持ちます。お客さまの反応や結果を見ながら改善し、最後に成果を発表します。
これは、海外や商売に関心があり、現場で試してみたい高校生にとっては選択肢の一つです。一方で、語学を集中的に学びたい人や、個人で研究を深めたい人には、別の活動が合うこともあります。
どのプログラムを選ぶ場合も、参加しただけで総合型選抜の評価が決まるわけではありません。自分の目的に合っているか、自分で考えて動ける場面があるかを確かめたうえで判断してください。
課外活動には、部活動、探究、ボランティア、留学、インターンなど、さまざまな種類があります。ただ、種類の多さに目を向けすぎると、自分が何をしたいのかが分からなくなることもあります。
すでに続けていることがある人は、そこで自分がしたことを振り返ってみてください。これから始める人は、興味のある分野と、実際に任される役割の両方を確認します。
活動名の見栄えではなく、自分で考え、動き、結果を受けて何を変えたのか。そこまで話せる経験を選ぶと、自分の言葉で活動を伝えやすくなります。


