「海外に行きたいけれど、英語が話せない…。」と不安に感じる人は少なくありません。
結論からいえば、英語に自信がなくても参加できる海外プログラムはあります。ただし、どのプログラムでも問題ないわけではありません。
見るべきなのは、英検の級や学校の成績だけではなく、現地で何をするのか、困ったときに誰へ相談できるのかという点です。
この記事では、英語が苦手な高校生が海外で困りやすい場面と、出発前に準備しておきたいこと、プログラムを選ぶときの確認ポイントを紹介します。
英語が話せなくても参加できる海外プログラムはある

実際、海外プログラムの内容はさまざまです。語学を学ぶものもあれば、現地の人との交流が中心のもの、チームで調査や販売などに取り組むものもあります。
当然、求められる英語力も同じではありません。
たとえば、初心者向けのクラスがある語学留学なら、英語を学ぶこと自体が目的なので、出発前から流暢に話せる必要はありません。
一方、現地校の授業に参加するプログラムでは、先生の説明を聞いたり、課題を読んだりするための英語力が必要になります。
そのため、「英語が苦手だから無理」と決めつけたり、「初心者歓迎だから問題ない」と考えたりせず、活動内容まで確認することが大切です。
まずは現地で何をするのかを確認してみてください。
授業を受けるのか、現地の高校生と交流するのか、自分たちで何かを調べたり販売したりするのか。活動内容が分かれば、どの程度の英語力が求められるのかも見えてきます。
必要な英語力は「海外で何をするか」で変わる

海外へ行く前に「英検は何級あれば大丈夫ですか」と聞きたくなるかもしれません。
もちろん、英語力の目安が参加条件として決められているプログラムもあります。ただ、実際に現地で困るかどうかは、資格だけでは判断できません。
海外体験の種類によって、英語を使う場面が違うからです。
| 海外体験の種類 | 主な目的 | 英語を使う場面 | 参加前に確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 語学留学 | 英語を学ぶ | 授業・日常生活 | 自分のレベルに合うクラスがあるか |
| 現地校への留学 | 現地の授業を受ける | 授業・課題・学校生活 | 授業についていける英語力があるか |
| 交流型の海外研修 | 異文化交流 | 自己紹介・会話・共同活動 | 困ったときのサポートがあるか |
| 実践型プログラム | 現地で課題に取り組む | 調査・提案・販売・チーム活動 | 自分が担当する仕事とチーム体制 |
交流型のプログラムでは、長い英文を話せることよりも、相手の話を聞き、分からなければ聞き返し、自分が何をしたいのかを伝えられること=コミュニケーション力が大切です。
実践型のプログラムでは、さらに「どうすれば伝わるか」を考えながら動く力も必要です。
英語の勉強をしてから海外へ行くのか、海外で英語を使いながら経験を積むのか。ここは、参加する目的によって考え方が変わります。
英語が苦手な高校生が現地で困りやすい3つの場面

英語が十分に話せないまま海外へ行くと、困る場面はもちろんあります。
ただ、事前に想像できていれば準備できることも多いです。特に注意したいのは、次の3つです。
移動や買い物で予定外のことが起きたとき
空港や駅では、乗り場の変更や遅延など、予定になかった案内を受けることがあります。
普段の買い物でも、支払い方法を聞かれたり、こちらから数量や金額を確認したりする場面があります。
問題になるのは、英語が分からないこと自体より、分からないまま動いてしまうことです。
特に一人で移動する可能性がある場合は、宿泊先の名称や住所、現地担当者の連絡先をすぐに見せられるようにしておくと安心です。
活動中の指示を理解できなかったとき
海外研修では、「次にどこへ行くのか」「何を調べるのか」「誰に何を聞くのか」といった説明を受けます。
分からないまま「OK」と答えてしまうと、自分だけ違う行動をしてしまうことがあります。
この場合に必要なのは、難しい英語ではありません。
「もう一度お願いします」「ここですか」「何時ですか」など、分からない部分をその場で確認できれば、大きな勘違いはかなり防げます。
分かったふりをしないことも、海外で動くための準備のひとつです。
英語が怖くて自分から話せなくなったとき
意外と大きいのが、この問題です。
英語を間違えるのが恥ずかしくて、話せる人の後ろについていくだけになってしまうことがあります。
現地に行っただけでも新しい経験にはなりますが、せっかくなら自分でも一度は質問したり、相手へ何かを伝えたりしてみたいところです。
最初から長く話そうとする必要はありません。
質問を一つ担当する、商品の説明を一部分だけ担当する、聞いた内容を記録するなど、自分がやることを決めておくと参加しやすくなります。
出発前は「英語をたくさん覚える」より使う場面を絞る

海外へ行くと決まると、「もっと英語を勉強しないと」と焦る人もいると思います。
もちろん勉強して損はありません。ただ、出発までの限られた時間で、日常英会話を一から全部覚えようとすると大変です。
それよりも、現地で実際に使いそうな英語から準備していきましょう。
困ったときに言える短い表現を覚える
最初に準備したいのは、会話が止まったときに使える言葉です。
たとえば、
「もう一度お願いします」
「ゆっくり話してください」
「分かりません」
「これはどういう意味ですか」
「ここで合っていますか」
といった短い表現です。
学校のテストなら、文法や単語の正確さが評価されます。一方、海外の生活では、必要なことを相手と確認できるかどうかが先です。
多少間違っても構わないので、考えなくても口から出るくらいまで練習しておくと使いやすくなります。
活動で使いそうな単語だけ先に確認する
次に、参加するプログラムの内容を見ながら、現地で使いそうな言葉を確認します。
たとえば販売をするなら、商品名、価格、数量、支払いに関する単語はよく使います。
聞き取り調査をするなら、「どれが好きですか」「なぜですか」「どのくらいの頻度ですか」といった質問を準備できます。
何をするかが決まっていれば、覚えるべき英語もかなり絞れます。
英単語帳を最初から最後まで覚えようとするより、「自分は現地で何を言うのか」から考えたほうが実践的です。
住所と緊急連絡先は英語力に関係なく準備する
英語とは別に、必ず準備しておきたいものもあります。
宿泊先の名称と住所、現地担当者の連絡先などは、スマートフォンですぐに表示できるようにしておきましょう。
スマートフォンが使えない場合に備えて、紙でも持っておくと安心です。
翻訳アプリを使う予定なら、渡航先の言語を事前にダウンロードし、通信できない状態でも使えるか確認しておきます。
パスポートや保険に関する情報など、緊急時に必要になるものをどこに保管するのかも、出発前に家族と確認しておきましょう。
英語に不安があるなら、プログラムの「動き方」まで確認する

英語が苦手な高校生の場合、プログラム選びで見てほしいのは「英語力」だけではありません。
現地で自分がどう動くのかを確認してみてください。
たとえば、ずっと引率者について見学するプログラムと、自分たちで現地の人に話しかけるプログラムでは、同じ海外体験でも過ごし方はかなり違います。
確認したいのは、自分が担当する役割があるか、困ったときの相談先が決まっているか、複数名で協力できるかという点です。
英語が得意な人に全部任せる形ではなく、一人ひとりが何かを担当できる仕組みになっているかも見ておきたいところです。
サムライカレープロジェクトでも、複数名のチームで現地のビジネスに取り組みます。
商品を実際に販売し、売上という結果まで自分たちで追います。思ったような結果が出なければ、チームで原因を考えて、商品や伝え方、売り方を変えてもう一度試します。
英語が完璧だからできるというより、伝わらなければ別の方法を考える。うまく売れなければやり方を変える。そうした試行錯誤も活動の一部です。
最後には成果発表会があり、自分たちが何を考え、何を試し、結果がどう変わったのかを振り返ります。
海外プログラムを比較するときも、「英語初心者でも参加できますか」だけではなく、「参加者は現地で何を任されますか」と聞いてみると、そのプログラムの中身が見えやすくなります。
英語ができるようになるまで海外を待つ必要はない

英語が話せないまま海外へ行けば、困る場面に何度も出会います。
言いたいことがすぐに出てこなかったり、相手の話を聞き取れなかったりすることもあるでしょう。
ただ、「英語がもっと上手になってから」と考えていると、海外へ行くタイミングをなかなか決められません。
高校生の海外体験で考えたいのは、英語が何点取れるかだけではなく、その環境で自分が何をするのかです。
英語そのものを学びたいなら語学留学があります。現地の高校生活を経験したいなら学校留学があります。英語を使って人と話したり、自分たちで何かに挑戦したりしたいなら、交流型や実践型のプログラムも選択肢になります。
英語に自信がないなら、まず「現地で何をやってみたいか」から考えてみてください。
そのうえで、必要な英語力、チームの人数、現地のサポート、緊急時の対応まで確認する。それができれば、「英語が話せるか、話せないか」だけで海外へ行くかどうかを決める必要はありません。


