学校の海外研修や旅行、海外プログラムなどが決まり、「パスポートを取っておいて」と言われることがあります。しかし、初めてなら、どこへ申し込み、保護者に何を頼めばよいのか分からないのも当然です。
最初に確認したいのは、必要書類よりも渡航日と申請時の年齢です。そこが分かれば、いつまでに申請するか、窓口とオンラインのどちらを選ぶかも決めやすくなります。
この記事では、高校生が初めてパスポートを取る場合を想定し、準備から受取までを順番に説明します。
高校生のパスポート取得は渡航日と申請時の年齢から考える

| 申請時の年齢 | 申請するパスポート | 保護者の同意 | 本人によるオンライン申請 |
|---|---|---|---|
| 15〜17歳 | 5年用 | 必要 | 可能 |
| 18歳以上 | 10年用 | 不要 | 可能 |
15〜17歳は、自分のマイナンバーカードを使ってオンライン申請できます。ただし、親権者などが署名した同意書を添付しなければなりません。
18歳になってから申請する場合は、成人として10年用を申請します。高校3年生は、同じ学年でも誕生日によって扱いが分かれるため、申請日を決める段階で年齢を確認してください。
2026年7月1日以降、18歳以上が新規申請できるのは10年用だけです。以前は5年用も選べましたが、現在は廃止されています。18歳未満は5年用のみです。外務省「こんな時、パスポートQ&A」
年齢は法律上、誕生日の前日に1歳加算されます。18歳の誕生日が近い場合は、自分で判断せず、利用するパスポート窓口に確認したほうが確実です。
渡航日から逆算して申請日と受取日を決める

パスポートは、申請したその日に受け取れるものではありません。国内では通常、申請から交付まで2週間程度かかります。
ただし、2026年9月現在、外務省は手数料改定後の混雑により、3週間から1か月程度かかる場合があると案内しています。書類や写真に不備があれば、さらに時間がかかります。
渡航日が決まっているなら、1か月前を申請の締切にするのではなく、遅くとも1か月前には申請を終えるつもりで進めましょう。申請先の混雑状況もあるため、できれば1か月半から2か月ほど余裕があると落ち着いて準備できます。
| 渡航までの時期 | 進めておきたいこと |
|---|---|
| 2か月以上前 | 申請時の年齢、利用する窓口、保護者の対応を確認する |
| 1か月半前 | 窓口とオンラインのどちらで申請するか決める |
| 1か月以上前 | 必要なものをそろえて申請する |
| 交付予定日の通知後 | 学校や部活動の予定を確認し、本人が受け取りに行く |
「まだ1か月あるから大丈夫」と後回しにすると、試験期間や部活動と重なり、受け取りに行ける日がなくなることもあります。申請日だけで終わりにせず、本人が窓口へ行く受取日まで予定に入れておくと、あとで慌てません。
実際の交付日は地域や混雑状況によって異なります。申請前に、住民登録のある都道府県や市区町村のパスポート窓口を確認してください。
窓口とオンラインは学校の予定に合わせて選ぶ

初めてパスポートを取る場合も、窓口申請とオンライン申請を選べます。どちらが優れているというより、自分と保護者が進めやすい方法を選ぶのが現実的です。
| 申請方法 | 向いている人 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| 窓口申請 | 書類や写真を窓口で確認してもらいたい人 | 申請受付時間、必要書類、本人確認書類 |
| 本人によるオンライン申請 | マイナンバーカードを使い、自分で操作できる15歳以上の人 | 署名用電子証明書、暗証番号、保護者の同意書 |
| 保護者によるオンライン代理申請 | 保護者がマイナポータルの操作を進める家庭 | 代理人設定、本人と保護者のマイナンバーカード |
窓口申請では、申請と受取で原則2回窓口へ行きます。本人が申請に行けない場合は保護者などが書類を代理提出できることもありますが、申請書には本人が記入する欄があります。
オンライン申請なら、窓口へ行くのは原則として受取時の1回です。平日に学校を休みにくい人には使いやすい方法ですが、マイナンバーカードの暗証番号が分からないと途中で手続きが止まります。
15歳になる前にマイナンバーカードを作り、その後に署名用電子証明書を発行していない場合は、市区町村で手続きが必要になることがあります。「カードを持っているから、すぐ申請できる」とは限らないため、先に確認しておきましょう。
15〜17歳の必要書類や保護者の署名、代理申請については、関連記事の「未成年のパスポート申請に必要な書類は?」で詳しく説明しています。
申請をやり直さないために先に確認しておきたいこと

申請方法が決まったら、必要なものをそろえます。難しい手続きではありませんが、写真や本人確認書類で不備が見つかると、修正や再提出を求められます。
窓口申請では本人確認書類を早めに確認する
初めて窓口で申請する場合は、一般旅券発給申請書、戸籍謄本、パスポート用写真、本人確認書類などを準備します。状況によっては、住民票の写しが必要です。
高校生の場合、学生証だけでは本人確認が完了せず、健康保険の資格確認書などとの組み合わせを求められることがあります。何を使えるかは申請先の案内を確認してください。
18歳未満は、申請書裏面の「法定代理人署名」欄に親権者などの署名が必要です。本人が書く欄まで保護者がまとめて記入するのではなく、それぞれが指定された欄に書きます。
オンライン申請は暗証番号と写真で止まりやすい
オンライン申請では、マイナンバーカード、対応するスマートフォン、マイナポータルアプリを使います。署名用電子証明書の6〜16桁の暗証番号も必要です。
顔写真はスマートフォンで撮影できますが、普段SNSへ載せる写真とは基準が違います。美肌補正や小顔加工、目を大きくする加工は使えません。髪や顔の一部が、背景の自動処理で不自然に欠けていないかも確認してください。
自署は白い紙に黒または青の濃いインクで書き、影が入らないように撮影します。登録した画像がそのままパスポートへ印刷されるため、送信前に文字が切れていないか見ておきましょう。
申請後に不備が見つかると、マイナポータルの「やること」へ修正依頼が届きます。申請が終わったと思って放置せず、交付予定日の通知が来るまでは定期的に確認してください。
受取日まで終えて初めてパスポートの準備が完了する

受取時には、窓口申請でもらった受理票、またはオンライン申請後に表示される受付票などを用意します。手数料の支払方法は申請先によって異なるため、交付予定日の案内と一緒に確認してください。
2026年7月1日以降に申請する場合の主な手数料は、次のとおりです。
| 申請時の年齢 | パスポート | オンライン申請 | 窓口申請 |
|---|---|---|---|
| 15〜17歳 | 5年用 | 4,400円 | 4,800円 |
| 18歳以上 | 10年用 | 8,900円 | 9,300円 |
オンライン申請のほうが400円安くなります。ただし、暗証番号の確認や写真の撮り直しに時間がかかることもあるため、料金だけで決めず、自分で最後まで進めやすい方法を選んでください。
受け取ったら、その場で氏名、生年月日、性別、ローマ字表記を確認します。あとで間違いに気づくと、航空券や渡航手続きにも影響します。
パスポートと航空券の氏名は一文字ずつ照らし合わせる

パスポートを受け取る前に航空券を予約する場合は、利用する航空会社や旅行会社へ、氏名の入力方法と訂正条件を確認してください。予約後の変更に手数料がかかったり、いったん取り消して取り直したりする場合があります。
また、国や地域によっては、入国時に一定以上のパスポート残存有効期間を求められます。今回初めて取得する高校生は有効期間に余裕がありますが、以前取得したパスポートを使う場合は、期限が切れていないからと安心せず、渡航先が定める残存有効期間を確認してください。
パスポートの取得後は、渡航先の入国条件、ビザの要否、海外旅行保険なども順番に確認します。一度にすべて済ませようとせず、期限がある手続きから進めれば大丈夫です。
パスポートを取ったら海外で何に挑戦したいかを考える

パスポートは海外へ行くために必要ですが、せっかく時間と費用をかけて行くなら、現地で何をしてみたいのかも考えてみてください。
高校生のうちから将来の仕事や進学先まで決める必要はありません。「外国で生活してみたい」「現地の人と一緒に何かをやってみたい」というところからでも十分です。
サムライカレープロジェクトでは、複数名のチームで商品を考え、現地で実際に販売します。思ったように売れなければ、顧客の反応を見て方法を変えます。売上という結果に向き合いながら仮説検証と改善を行い、最後に成果発表会で自分たちの取り組みを振り返るプログラムです。
海外プログラムを選ぶときは、行き先や知名度だけでなく、自分がどこまで担当するのかを確認してください。高校生の海外参加について親子で話し合いたい場合は、「高校生が海外に行きたいと言ったら?」も参考になります。
渡航日が決まったら、今日できることは二つです。申請先の窓口を調べ、パスポートを取ることを保護者に伝える。ここまで進めれば、あとは日程に沿って一つずつ準備できます。


