「参加費を払ったのに、聞いていた活動ができなかったら…?」海外プログラムを探していると、そんな不安が出てきますよね。
申込前に確かめたいのは、会社の評判だけではありません。約束された活動、渡航に必要な条件、支払う費用と返金の決まりです。
ここで紹介するのは、東京都の消費生活相談と国民生活センターが公表した事例です。参考にして、申込前の確認に役立ててください。
実際にあった海外留学・インターンのトラブル

有給のホテル勤務を申し込んだのに、紹介されたのは無給の牧場仕事
東京都が公開している相談では、19歳の女性がオーストラリアでの有給インターンを希望し、約100万円を支払いました。語学学校で学んだ後、リゾート地のホテルで働く契約でした。ところが現地で案内されたのは、奥地の牧場で馬の世話をする無給の仕事。女性は途中帰国し、手配料の返金を求めましたが、応じてもらえなかったという内容です。
出典:東京都・東京くらしWEB「留学あっせん業者にインターンシップを依頼したが、無給の仕事だった。」
ビザは取得できると思って契約したが、不許可になった
国民生活センターが公表した例では、アイルランドでの語学留学とインターンを希望した人が、内金11万円を支払いました。事前に、運営会社の担当者からはビザ取得は問題ないと説明されていましたが、実際には定員超過でビザが下りず、予定どおり渡航できませんでした。一方、事業者側は、そのような説明はしていないと主張しています。
このケースでは、解約時の返金額も争いになりましたが、和解手続で、提供済み・未提供のサービスを踏まえて7万円を返金することで合意しました。
出典:国民生活センター「海外留学あっせんサービスに関する紛争(2)」(事案33)
申込金16万円を払った後も、手配内容が分からなかった
別の東京都の相談では、ワーキングホリデーで語学学校に通い、アルバイト先も紹介してもらうと言う内容で、申込金16万円を支払った後、詳しい説明がないことに不安を感じて解約を申し出ると、解約料が高かったというケースもあります。
この事例は、渡航先での活動以前に、支払ったお金で何を手配してもらえるのかが見えなかったケースです。
出典:東京都・東京くらしWEB「ワーキングホリデーの契約をしたが、会社から連絡がなく心配。」
事例から分かる、申込前に聞いておきたいこと

まずは「現地で何をするのか」を具体的に聞きます。活動場所、受入先、参加者の役割がまだ決まっていない場合は、いつ決まるのか、希望と違ったらどうなるのかまで聞いてください。
「実践型ビジネスプログラム」という紹介なら、講義を聞くのか、企画を立てるのか、実際に販売するのかで体験は大きく変わります。サムライカレーでは、複数名のチームで現地調査、商品や売り方の検討、販売、結果を受けた改善に取り組みます。売上という結果に向き合い、最後に成果発表をするところまでが活動です。こうした具体的な流れを、気になるプログラムごとに確かめてみてください。
次に、「できなかった場合はどうなるのか」も確認します。受入先の変更、渡航に必要な許可が下りなかった場合、主催者側の中止。それぞれ代替の活動があるのか、返金はどうなるのか。良い条件だけでなく、予定が変わったときの決まりも読んでおきましょう。
支払う前に、費用と運営体制を確かめる

参加費に航空券、宿泊、保険、食費が含まれるかはプログラムによって違います。金額を比べる前に、参加費に含まれるものと別払いのものを分け、総額を確認します。振込先が案内にある会社と異なるときは、公式サイトに載っている連絡先から理由を聞いてください。
現地で困ったときの連絡先も必要です。体調を崩した場合は誰に連絡し、夜間はどう対応するのか。「サポートあり」の一言で終わらせず、現地側と日本側の担当範囲を聞いておきましょう。
留学の手配サービスは、契約後に必ずクーリングオフできるとは限りません。「ひとまず申込書だけ」と言われても、署名する前にキャンセル料と返金条件を読みましょう。
参考:日本学生支援機構「留学あっせん業者(留学エージェント)の利用について」
気になることが残ったら、申込前に確認を

実際の相談事例では、「聞いていた活動と違う」「渡航できず返金でもめる」「支払った後の手配状況が分からない」といった問題が起きています。どれもWebサイトの雰囲気や口コミだけでは確かめられない部分です。
気になるプログラムがあれば、活動内容、予定変更時の対応、総額と返金条件を募集要項で見てください。書かれていないことは、説明会やメールで質問して記録を残す。納得できる答えがそろってから、申し込むかを判断しましょう。
運営会社そのものを調べる方法は、関連記事「海外プログラムの主催会社を見極める方法」にもまとめています。

海外プログラムは、「現地で何ができるか」に目が向きがちです。ただ、申込前に気になったことを「たぶん大丈夫」で済ませず、費用やキャンセル条件、現地でのサポートも確認しておきましょう。
説明を聞いても腑に落ちないなら、その場で決める必要はありません。活動内容、支払う総額、予定が変わったときの対応を確かめて、納得してから選びましょう。


