「うちの子は英語が話せないのに、海外で商売なんてできるのだろうか」。お子さまがサムライカレーに興味を持ったとき、保護者の方からよくいただく質問です。
この記事では、英語が得意ではないお子さまが海外プログラムに参加する場合に、保護者の方が確認しておきたい点を整理します。翻訳ツールとの付き合い方、現地でのサポート体制、参加前に本人と話しておきたいことをまとめました。
「大丈夫です」と言い切るのではなく、確認できる体制と条件を具体的にお伝えします。

英語力と安全は、分けて考える
先に整理しておきたいのは、「英語が話せないこと」と「海外で安全に過ごせること」は、別の問題だという点です。
英語が話せなくても、現地で日本語のサポートが受けられる体制があれば、緊急時の対応や日常の困りごとは解決できます。逆に、英語が話せても、サポート体制のないプログラムでは不安が残ります。
保護者の方に確認していただきたいのは、「英語ができるか」ではなく、「言葉に困ったとき、誰が助けてくれる体制か」です。
サムライカレーの参加条件に、英語力の基準はない
サムライカレーは、カンボジアのプノンペンで、商品企画から販売までを体験する実践型のプログラムです。参加条件に、英語力の基準はありません。
これまでの参加者にも、英語が得意ではないまま参加した高校生・大学生が多くいます。プログラムの中で英語が必要になるのは、主に販売の場面です。現地のお客さまに声をかけ、商品を説明し、値段を伝える。この場面では、身振りや表情、簡単な単語、そして翻訳ツールを使って、参加者それぞれのやり方でやり取りをしています。
現地になれてから、販売に出る
いきなり現場に出るわけではありません。初日はバスで市内を視察。翌日はタクシーでモールや学校をみんなで訪問、三日目は大学内で自由行動といったように、だんだんと行動範囲を広げていきます。
活動は6〜12名程度のチーム単位です。英語が得意なメンバーがいれば、その人が接客の中心を担うこともあります。苦手な人は、調理、商品の見せ方、売上の記録、改善案の整理など、別の役割を持ちます。一人で全部をこなす場面は、基本的にありません。
翻訳ツールで変わること、変わらないこと
翻訳アプリや、翻訳機能のついたスマートグラスなど、言葉の壁を下げるツールは急速に進化しています。
特にスマートグラスは、「翻訳機」という言葉から想像するものとは、使い方がかなり違います。見た目は普通のメガネです。かけていると、相手が話した言葉が、視界の中に日本語の字幕として表示されます。スマートフォンを取り出す必要も、画面を相手に見せる必要もありません。自分が日本語で話せば、その英訳が表示され、それを読み上げれば伝わります。相手の顔を見たまま、会話が続くのです。
翻訳という機能だけを見れば、スマートフォンのアプリでも同じことはできます。違いは、使っている最中の様子です。スマホを操作しながら話すと、相手には「言葉が分からず、翻訳しながら話している人」と映ります。スマートグラスの場合は、相手から見ると普通のメガネをかけて普通に会話している人であり、翻訳していること自体が伝わりません。お客さまに構えさせずに、いつもどおりのやり取りができる点が、販売の場面では大きな違いになります。
代表の森山も先日、カンボジアの飲食店で試しました。店員の英語がほぼ遅れなく日本語で表示され、「言葉が分からないから会話ができない、という場面は確実に減っていく」と実感したそうです。公式サイトによると、対応言語は35言語です(2026年9月時点)。
このときの体験と、そこから考えたことは、代表の森山が書いた記事で詳しく紹介しています。お子さまと一緒にお読みいただける内容です。

この変化は、保護者の方の判断にも関係します。「英語ができないと海外で何もできない」という前提は、数年前より当てはまらなくなっています。お子さまがこれから社会に出る頃には、こうした道具はさらに身近になっているはずです。
ツールがあっても、参加者がやることは変わらない
ただし、保護者の方に知っておいていただきたいことがあります。翻訳ツールがあっても、商品が売れるようになるわけではありません。
言葉が通じたうえで、お客さまが買わない理由を考え、価格や見せ方や声のかけ方を変えて、翌日また試す。サムライカレーで参加者が取り組むのは、この部分です。英語力は、この経験の入口を少し広げる要素であって、中身そのものではありません。
そのため、お子さまが「英語ができないから」と参加をためらっている場合は、「英語を使いに行くプログラムではない」ことをお伝えいただければと思います。
ツールに頼りきりにはしない
一方で、道具には限界もあります。電池が切れる、電波が弱い、騒がしい場所では聞き取りにくい、翻訳が不自然になる、といったことは起こります。
そのため、翻訳ツールは「困ったときの助け」として、身振りや簡単な単語、チームの仲間の力と組み合わせて使う前提でお考えください。ツールがあるから安心、ではなく、ツールがあることで試せる場面が増える、という理解が現実に近いと思います。
翻訳ツールは、参加者が持ち込むもの
現時点で、サムライカレーは翻訳機器を参加者に配布していません。スマートフォンの翻訳アプリなど、参加者がふだん使っているものをそのまま使えます。特別な機器を用意する必要はありません。
言葉に困ったとき、誰が対応するのか
保護者の方が本当に確認したいのは、ここだと思います。
サムライカレーでは、現地に日本人責任者が常駐しています。体調不良、けが、道に迷った、持ち物をなくしたといった困りごとは、日本語で相談できます。24時間の緊急連絡体制があり、日本語が通じる現地提携医療機関もあります(提携医療機関について)。
販売の場面でのやり取りは、参加者自身が行います。ただ、それは「困ったら自分で何とかしなさい」という意味ではありません。生活面と安全面のサポートがあるからこそ、販売の場面では思い切って試せる、という構造です。
体制の詳細(責任者の人数、連絡方法、医療機関の所在地など)は、参加前の説明会や個別相談で具体的にお伝えしています。
未成年が参加する場合の条件
高校生など未成年のお子さまが参加する場合は、保護者の同意が必須です。海外旅行保険への加入も必須としています。
宿泊費と現地活動費は参加費に含まれます。渡航費、食費、海外旅行保険料、ビザ代などは別途必要です。総額での確認については、料金・費用のページをご覧ください。
参加前に、本人と話しておきたいこと

英語が苦手なお子さまの場合、参加前に次のことを一緒に確認しておくと、現地での動きが変わります。
- 英語を勉強しに行くのではなく、「売る」ことを試しに行くのだと理解しているか
- 言葉が通じないとき、まず何をしてみるか(翻訳アプリを開く、身振りで伝える、チームの仲間に頼む)
- 困ったときに相談する相手が現地にいることを知っているか
- チームの中で、自分は何を担当したいか
「英語ができないから無理」ではなく、「英語ができない状態で、どう工夫するか」を考える。それ自体が、このプログラムで得られる経験の一部です。
帰国後、この経験はどう活かせるか
英語が話せないまま海外で商売を試した経験は、帰国後に整理しやすい経験です。
何を売ろうとして、なぜ売れず、何を変えたら結果がどう動いたか。チームでどう役割を分けたか。言葉が通じない中で、どう工夫したか。最終日の成果発表会で一度言語化するため、進路相談や面接の場で説明しやすくなります。
ただし、参加すれば進学や就職で必ず有利になる、という性質のものではありません。経験を整理し、自分の言葉で説明できるようになるための材料、とお考えください。
お子さまが語学留学と迷っている場合は、語学留学と海外インターンの違いを目的別に整理した記事も併せてご覧ください。
英語力ではなく、サポート体制と本人の準備を確認して判断したい
英語が話せないことは、海外プログラム参加の障壁になりにくくなっています。翻訳ツールの進化に加えて、サムライカレーでは現地日本人責任者、緊急連絡体制、保険、未成年の保護者同意といった体制を整えています。
判断の材料として確認していただきたいのは、英語力ではなく、「言葉に困ったときの体制」と「本人が何を試しに行くのか理解しているか」の2点です。
体制の詳細や費用の総額について、個別にご相談いただけます。お子さまと一緒にご参加いただいても構いません。
保護者の方向け・次に確認できること


