カンボジアへ渡航する日本人は、観光やビジネスなどの目的にかかわらず、原則としてビザが必要です。
ビザの取得方法は、出発前にオンラインで申請する「e-Visa」と、現地到着後に申請する「アライバルビザ」が主な選択肢です。
ただ、初めてだと「どちらで申請すればいい?」「費用はいくら?」「何日前までに申請する?」など、分からないことも多いと思います。
今回は、カンボジアのビザの種類や取得方法、必要な費用・書類、オンラインでの申請手順を紹介します。
カンボジアへの入国にはビザが必要

日本国籍の方がカンボジアへ入国する場合は、短期間の観光旅行でも原則としてビザが必要です。
また、ビザを取得するには、パスポートの残存有効期間などの条件も満たしていなければなりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ビザの必要性 | 日本国籍者は原則必要 |
| 主なビザの種類 | 観光ビザ(Visa T)、商用ビザ(Visa E) |
| 初回の滞在可能期間 | 原則30日間 |
| ビザの有効期間 | 発給日から3か月 |
| パスポートの有効期間 | 入国時点で6か月を超える残存期間が必要 |
| その他の入国手続き | e-Arrival(電子入国申告) |
ここで気をつけたいのが、ビザの「有効期間」と「滞在可能期間」の違いです。
例えば、観光ビザは発給日から3か月間有効ですが、カンボジアに3か月滞在できるわけではありません。1回の入国で滞在できるのは原則30日間です。
取得したビザを使える期限と、入国後に滞在できる期間は分けて考えておきましょう。
カンボジアのビザは主に2種類|観光用と商用の違い

カンボジアのビザには、観光用のVisa Tと、商用などの目的で使われるVisa Eがあります。
どちらも初回の滞在可能期間は原則30日間ですが、滞在中にできる活動や延長条件が異なります。
| 比較項目 | 観光ビザ(Visa T) | Visa E |
|---|---|---|
| 主な目的 | 観光・旅行 | 商用など |
| 初回の滞在期間 | 30日間 | 30日間 |
| e-Visa申請料金 | 30米ドル | 35米ドル |
| 有効期間 | 発給日から3か月 | 発給日から3か月 |
| 滞在期間の延長 | 原則1回、30日間 | 条件に応じて延長可能 |
※発給日:パスポートやビザ、免許証が実際に発行された日付のこと。
観光ビザ(Visa T)は旅行や観光向け
アンコールワットなどの観光地を巡ったり、休暇を利用してカンボジアに滞在したりする場合は、観光ビザ(Visa T)が基本です。
30日以内の観光旅行であれば、通常はこちらを選びます。
滞在期間は原則30日間で、条件を満たせば1回に限り30日間の延長が可能です。
ただし、観光ビザは現地での就労や商用活動を目的としたものではありません。
Visa Eは商用などの目的で渡航する人向け
現地企業との商談や業務に関連した活動など、観光以外の目的で渡航する場合はVisa Eが選択肢になります。
Visa Eも最初の滞在期間は30日間ですが、条件に応じて延長できます。
ただし、Visa Eを取得すれば、どんな仕事でも自由にできるわけではありません。活動内容によっては、就労許可など別の手続きが必要になることもあります。
例えば、海外インターンやビジネス体験プログラムに参加する場合も、内容によって必要なビザが異なります。参加するプログラムの主催者に、どのビザを取得すればよいか確認してください。
カンボジアのビザを取得する2つの方法

カンボジアのビザは、主に「e-Visa」と「アライバルビザ」の2つの方法で取得できます。
大きな違いは、日本にいる間に申請するか、カンボジアに到着してから申請するかです。
| 比較項目 | e-Visa(電子ビザ) | アライバルビザ |
|---|---|---|
| 申請場所 | オンラインなど | 現地の対応する入国地点 |
| 申請する時期 | 出発前 | カンボジア到着時 |
| メリット | 出発前に発給を確認できる | 事前のビザ取得が不要 |
| 注意点 | 利用できる入国地点に制限がある | 現地で申請手続きが必要 |
e-Visa|日本からオンラインで申請できる
e-Visaは、カンボジア政府の公式サイトから取得できる電子ビザです。
パスポートや顔写真のデータを準備すれば、日本にいながら申請できます。渡航前にビザの発給を確認できるので、初めてカンボジアへ行く人にも利用しやすい方法です。
申請は以下の公式サイトから行えます。
例えば、プノンペンへの渡航で利用されるテチョ国際空港や、シェムリアップ・アンコール国際空港はe-Visaに対応しています。
飛行機ではなく、タイやベトナムなどから陸路で入国する予定がある人は、利用する国境が対応しているか確認してください。
なお、2026年10月3日から、カンボジアの在外公館ではパスポートに貼り付ける紙面ビザの発給が停止されました。
現在はe-Visaへの移行が進められており、東京のカンボジア大使館では窓口でのe-Visa申請にも対応しています。
アライバルビザ|カンボジア到着後に申請する
アライバルビザは、カンボジアの空港などに到着してから取得するビザです。
日本を出発する前にビザを取得する必要はありませんが、現地で申請手続きを行います。
パスポートや申請料金などが必要で、到着時の混雑状況によっては待ち時間が発生することもあります。
なお、2026年10月に実施された紙面ビザの発給停止は、在外公館での手続きに関する変更です。アライバルビザ自体が廃止されたわけではありません。
ただし、利用できる入国地点は限られるため、出発前に確認しておきましょう。
カンボジアのビザ取得に必要な費用・日数・書類

ビザの種類と取得方法が決まったら、申請の準備を進めましょう。
ここでは、オンラインでe-Visaを申請する場合の費用や必要書類を紹介します。
ビザの申請費用はいくら?
カンボジア政府の公式e-Visaサイトでは、次の料金が案内されています。
| ビザの種類 | 申請料金 |
|---|---|
| 観光ビザ(Visa T) | 30米ドル |
| 商用ビザ(Visa E) | 35米ドル |
※2026年10月26日時点の公式掲載料金です。
日本円での支払額は為替レートによって変わります。
また、民間の申請代行サイトを利用すると、公式料金とは別に手数料がかかることがあります。自分で申請する場合は、カンボジア政府の公式サイトを利用しましょう。
ビザの取得には何日かかる?
カンボジア政府の公式e-Visaサイトでは、標準的な審査期間を3営業日としています。
一方、在大阪カンボジア王国名誉領事館では、申請に5〜7営業日かかると案内しています。
書類に不備があれば、さらに時間がかかることもあります。3営業日で必ず発給されるわけではないので、出発直前の申請は避けましょう。
ただし、e-Visaの有効期間は発給日から3か月です。何か月も前に申請するのではなく、入国予定日に合わせて準備してください。
ビザ申請に必要なもの
e-Visaのオンライン申請では、主に次のものを準備します。
- パスポート: カンボジア入国時点で6か月を超える残存有効期間があるもの
- 顔写真データ: 最近撮影した証明写真(JPEGまたはPNG形式)
- クレジットカード: 公式サイトで利用できるVisaまたはMastercardなど
申請時には、パスポートに記載された氏名や旅券番号、渡航予定日なども入力します。
氏名やパスポート番号を間違えると、再申請が必要になることもあります。手元にパスポートを置いて、記載どおりに入力してください。
また、Visa Eでは渡航目的によって追加の書類や確認が必要になる場合もあるので、申請前に公式サイトの案内を確認しましょう。
カンボジアのe-Visaをオンラインで申請する手順
ここからは、カンボジア政府の公式サイトを使ってe-Visaを申請する方法を紹介します。
手順は大きく5つです。
STEP1:カンボジア政府の公式サイトにアクセスする
まずは、カンボジア政府のe-Visa公式サイトを開きます。
検索結果には、民間のビザ申請代行サイトが表示されることもあります。
公式サイトのURLは「evisa.gov.kh」です。申請を始める前に確認してください。
STEP2:ビザの種類と申請者情報を入力する
申請画面で、観光ビザ(Visa T)または商用ビザ(Visa E)を選びます。
続いて、申請者本人の情報を入力していきます。
主な入力項目は次のとおりです。
- 氏名(パスポートに記載されたローマ字表記)
- 生年月日・国籍
- パスポート番号
- パスポートの発行日・有効期限
- カンボジアへの入国予定日・入国地点など
特に注意したいのが、氏名のスペルとパスポート番号です。
名前の順番やアルファベットの入力ミスがないように、パスポートを見ながら進めてください。
STEP3:顔写真などの必要書類をアップロードする
申請画面の案内に従って、顔写真などのデータをアップロードします。
パスポートの画像提出を求められた場合は、氏名や旅券番号などがはっきり読めるものを用意してください。
画像がぼやけていたり、端が切れていたりすると、審査に影響することもあります。
ファイル形式や容量については、申請画面の指定に合わせましょう。
STEP4:申請内容を確認して料金を支払う
必要な情報を入力したら、内容に間違いがないか確認して料金を支払います。
特に、ビザの種類、氏名、パスポート番号、入国予定日はもう一度チェックしてください。
支払いが終わったら、申請番号などの控えも保存しておきましょう。
STEP5:e-Visaの発給を確認する
申請後は審査が行われ、承認されるとe-Visaが発給されます。
発給されたら、氏名やパスポート番号、ビザの有効期間などを確認してください。
電子データはスマートフォンに保存し、必要に応じて印刷したものも用意しておくと安心です。
なお、ビザが発給されても、これで入国準備がすべて完了するわけではありません。
次に説明する「e-Arrival」という入国申告も忘れずに行いましょう。
ビザ取得後、カンボジア入国前に確認したいこと

ビザの取得が終わったら、入国前に「e-Arrival」の登録も行います。
名前が似ているため混同しやすいのですが、e-Visaとe-Arrivalは別の手続きです。
e-Arrivalはビザとは別に必要な入国申告
e-Arrivalは、カンボジアへの入国に必要な情報をオンラインで登録する仕組みです。
従来の入国カードや税関申告書などを電子化したもので、ビザの代わりにはなりません。
| 比較項目 | e-Visa | e-Arrival |
|---|---|---|
| 目的 | ビザの取得 | 入国情報などの申告 |
| 料金 | 有料 | 無料 |
| 手続きする時期 | 渡航前 | 到着7日前から、または到着時 |
| 公式サイト | evisa.gov.kh | arrival.gov.kh |
e-Arrivalは、カンボジア到着日の7日前から登録できます。到着時にも手続きできますが、出発前に済ませておくと現地での手間を減らせます。
登録は無料です。
登録後に発行されるQRコードは、入国時に提示できるよう保存しておいてください。
なお、2026年1月からは、入国時のスタンプに代わる電子的な滞在資格証明「v-Pass」も本格運用されています。
v-Passは入国後に発給されるもので、別途申請する必要はありません。ビザとも異なる仕組みです。
出発前にチェックしておきたいこと
カンボジアへの出発前には、次の5点を確認しておきましょう。
- パスポート: 入国時点で6か月を超える有効期間が残っているか
- ビザの種類: 観光や商用など、渡航目的に合っているか
- ビザの有効期間: 入国予定日が有効期間内に入っているか
- 入国地点: 取得したe-Visaを利用できる空港や国境か
- e-Arrival: 登録を済ませ、QRコードを保存しているか
また、e-Visaのデータやパスポートのコピーなども、必要なときに取り出せるようにしておくと便利です。
カンボジアのビザ取得でよくある質問

- 出発までにビザの取得が間に合わない場合は?
-
まずはe-Visa公式サイトで申請状況を確認してください。
入国地点によっては、到着時に取得するアライバルビザも選択肢になります。
ただし、渡航目的や申請条件によって利用できない場合もあります。すでにe-Visaを申請している場合は、重複申請や料金の扱いについても確認してから対応しましょう。
- ビザの申請内容を間違えた場合は修正できる?
-
間違えた項目や審査の進行状況によって、修正できるかどうかが異なります。
氏名やパスポート番号などに誤りがある場合は、そのまま渡航せず、公式サイトから問い合わせてください。
修正できない場合は、再申請が必要になることもあります。
- カンボジアのビザは延長できる?
-
観光ビザ(Visa T)は、原則として1回、30日間の延長が可能です。
Visa Eは滞在目的や必要書類などの条件によって、異なる期間の延長が認められる場合があります。
ただし、どちらも自動的に延長されるわけではありません。滞在期限を過ぎる前に、必要な手続きを確認してください。
- アライバルビザで入国する場合もe-Arrivalは必要?
-
はい。アライバルビザとe-Arrivalは別の手続きです。
アライバルビザは現地で取得するビザで、e-Arrivalは入国情報の登録です。
事前にビザを取得していない場合でも、e-Arrivalの登録は行ってください。
まとめ|カンボジアのビザは渡航前に取得方法を確認しよう

カンボジアのビザは、オンラインで取得するe-Visaと、現地到着後に取得するアライバルビザが主な選択肢です。
観光用のVisa Tと商用などに使うVisa Eでは条件が異なるので、まずは渡航目的に合う種類を確認してください。
また、ビザとは別にe-Arrivalの登録も必要です。申請にかかる日数やパスポートの有効期限を確認し、出発前に準備を済ませておきましょう。
カンボジアに興味がある方は、観光だけでなく、現地でビジネスを体験してみるのもおもしろいと思います。
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