サムライ伝説その4-1.サムライカレー開店への道(カレーが美味いのかわからなくなってきた編)

back8_1 3-2.5日で100人試食会を開催せよ!(決戦の土曜日編) back8_1b 4-2.サムライカレー開店への道(驚愕のカンボジアンクオリティ編) 100人試食会から開店までの2週間。 これが、サムライカレー最大の試練でした…。 土曜日、目標を達成できなかったけれども、それなりのお客さんを迎え入れることができ、満足感に浸りながら休暇。 ここで、創業メンバー二人とレシピ担当とまこさんは帰国し、残り4名に。 丸1日リフレッシュした翌日、 「まずは、カレーでも食べよう!」 ということで、カレーを作ってみると… 4-2a 不味い…。 「えええええ!?レシピ通りに作ったのに、なぜ!???」 「カレーって、材料混ぜればできるもんじゃないの?」 実にやばいことになってきました。 とりあえず、次なる目標は、2週間後のグランドオープン。 あと約10日でオープンしなきゃいけないのに、カレーが作れない! レシピ担当に、 「先生…カレーが不味いです…。」 と半泣きでメッセージ。 その時のアドバイスが、 スパイスは、ひとつひとつしっかり混ぜないと、味がバラバラになる。ということ。 確かにまったくその通りであり、実際、1つのスパイスを入れるごとに1時間、合計3時間混ぜてみたら、だいぶまともな味になりました。 「しかし、何かが…違う。」 微妙に美味くないのです。 それ以降、毎日カレーを作り続ける日々。 1鍋カレーを作るのに4時間かかるのに、それを1日2回作るのだから気が触れてます。 作るのも大変なら、食べるのも大変。なにせ、朝晩カレー。しかも、不味い。 ちょっとずつカレーの味を変えてきたら、なんか、水気のない、やたら辛い、よく分からない味になってしまったのです。これは、旨いのか、不味いのか。それすらもわからない、微妙なカレー。 試作零号機、試作初号機、試作弐号機、試作弐号機改… 数ばかりが増えていく試作品。 それぞれの改良点と、いい点、悪い点をマトリックスにまとめるも、突破口は見つからない。 「開店を延ばしましょうか…」 絶望感が店を包みます。 サムライズよ。社会に出てからもそういうことはよくあるよ。 そんなときは、どうするか? リフレッシュ! 残すところ1週間となったところで、まだ、カレーの味は完成しない。 遊びに来てくれた人に試食してもらっても、遠回しに「コレジャナイ」と指摘してくれる状態。 焦る、サムライズ。 しかし、ここで焦ったら、蟻地獄だ。 ■リフレッシュの効能 ちなみに、私はこの日、サムライカレー店舗の上の宿舎を離れて、プノンペン市内中心地のホテルに泊まりました。 プノンペン市内は、3000円もだせばいいホテルに泊まれちゃうのです。カレーも食べず、カレーのことも考えず、1日だらけていました。 また、タイミング良く、卒論の関係でスタートが遅れてた四人目のサムライズ、クロサワアキラ(本名)も合流。 自分の頭の中をリフレッシュし、新しい風を入れる。 こんなことが、解決の糸口になるのです。 サムライカレーは、物事を爆速で進めているので、常にやることがありました。 また、最初は私やレシピ担当がガンガン指示を出していました。 しかし、今、やることは限られていてカレーに向き合うしかありません。 そして、レシピ担当がいないので、自分たちで工夫するしかありません。(私はこの件に関してまるで役に立ちません) さあ、どうする? とまこさんを呼び戻すことも検討しましたが、彼らは自分たちでもう少しやることを選びました。 今までやってきた経験から、この調味料を減らせば、コレを増やせば、こうなるんじゃないかという仮説を元に実行する。そして、これを、愚直に何度も繰り返す。 さらに、バックアップのために、SBのカレー粉で作る事も試してみる。 そして、ついに、文句なしに旨いカレーができました。 ほどよいからみ。スパイスの味が残りながらも、日本のカレーと言えるくらいの風味もある。素人のくせに、よくやったよ、みんな。 サムライカレープロジェクトの本質は、素人なりに試行錯誤して問題解決をする能力です。いままで、あまりにも全てうまく行きすぎていて、どうしたもんかと思ったのですが、それは払拭されました。 絶望的な状況の時に、私は裏でトップバリュのカレールーで作ったモノを売るシミュレーションをしてました。あと、開店を遅らせるいいわけ作り。 しかし、彼らはその軽い絶望を乗り越え、私のバックアップを全く必要とせず、自分たちで問題解決しました。素晴らしい。この経験は、確かに彼らの自信に繋がったはずです。 駄目だと思ったら、思い切ってリフレッシュ。それでうまく行くこともある。こんな成功体験を積むことで、仕事の幅はちょこっと広がるのです。 サムライカレープロジェクト、オープンまであと3日。 準備は着々と進んでいます。 back8_1 3-2.5日で100人試食会を開催せよ!(決戦の土曜日編) back8_1b 4-2.サムライカレー開店への道(驚愕のカンボジアンクオリティ編) 本連載は、毎週1回更新されます。 4-2 は7/13(日)公開予定。 すぐに読みたい!という人は、こちらをどうぞ。

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