ガクチカの書き方で悩む就活生に向けて、評価されるエピソードの選び方から書き方の構成、実例付きの具体的なコツまでを網羅的に紹介します。読み終えたころには、自信を持ってガクチカを書ける力がついていることでしょう。
ガクチカの意味と評価される理由

就職活動において、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」は、面接官が学生の人柄や行動力を見極めるための重要な材料です。単なる経験の紹介ではなく、行動の背景や思考、成長の過程までを含めて語ることで、企業側は「この人と一緒に働きたいか」を判断します。書き方やテーマの選び方ひとつで、評価が大きく変わるため、就活成功のカギを握るパートと言えるでしょう。
ガクチカとは何か?なぜ重要なのか
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略称で、エントリーシートや面接でほぼ必ず問われます。企業がこれを聞くのは、成果ではなく「取り組む姿勢」「思考力」「実行力」を知りたいからです。たとえば、文化祭の実行委員でメンバーをまとめた経験は、リーダーシップや調整力の証明になります。仮に目立った成果がなかったとしても、課題にどう向き合い、どう行動したかを具体的に伝えれば、十分評価対象になります。
自己PRとの違いと見られている観点
ガクチカと自己PRは混同されがちですが、目的が異なります。自己PRは「自分の強みそのもの」を伝えるものであるのに対し、ガクチカは「ある行動を通じて強みを証明する」プロセスの紹介です。たとえば、協調性を強みにしたい場合、ガクチカではそれを発揮した具体的なエピソード(サークルでの役割や困難の乗り越え方)を語ります。面接官は、ストーリーの中に“本当にその人が語る強みを発揮していたか”を見抜いています。
強いエピソードに共通する3つの要素
評価されるガクチカには、次の3つの共通点があります。
- 課題が明確:誰にとってどんな問題があったのかが具体的
- 主体性がある:自分の意志で行動した点がはっきりしている
- 変化や学びがある:行動によって自分や周囲がどう変わったか
たとえば、アルバイトで売上低下に悩んでいた店舗で、自ら接客方法を見直し改善提案を行い、成果につなげたという話は、上記3要素を満たします。逆に、成果だけを語っても、それが他人の功績であれば評価にはつながりません。
ガクチカは、等身大の自分を通して「社会で活躍できる可能性」を伝える場です。だからこそ、内容よりも“どう語るか”が重要になります。まずは、自分の体験を見つめ直し、それがどのように成長に結びついたかを丁寧に言葉にしてみましょう。
ガクチカを書く前にすべき準備

ガクチカを書く際、多くの学生が「書くことがない」と感じて手が止まります。しかし、実際には日常の中に評価されるエピソードはたくさん隠れています。問題は「書けないこと」ではなく、「整理できていないこと」です。ここでは、ガクチカをスムーズに書き進めるための思考整理術や、エピソードが見つからない場合の具体的な対処法、そしてテーマの選び方について詳しく解説します。
書けないと感じる人向けの思考整理術
まず取り組むべきは、自分がこれまで取り組んできた活動を洗い出すことです。アルバイトやサークル、学業以外にも、日々の生活や趣味の中に「工夫したこと」「継続したこと」があるはずです。思い出しやすくするためには、以下のようなカテゴリで分けてメモしてみましょう。
- 学業(ゼミ、課題、研究)
- 課外活動(部活、サークル、ボランティア)
- 私生活(家事、バイト、趣味)
それぞれの活動で「どんな目標があったか」「何を工夫したか」「結果どうなったか」を思い出してみると、思考の糸口が見えてきます。一人で難しい場合は、友人や家族に質問してもらいながら話すと、意外な気づきがあることもあります。
エピソードがないときの対処法
「特別な経験がない」と思っている学生は多いですが、評価されるのは内容の“特別さ”ではなく、“向き合い方”です。たとえば、コンビニのアルバイトで新人教育を担当した経験は、責任感や工夫を伝えるチャンスになります。
経験が思い浮かばない場合は、以下の視点で掘り下げてみましょう。
- うまくいかなかったことに、どう対応したか
- 苦手なことを、どのように克服したか
- 周囲の人と協力して成し遂げた経験があるか
目立たない経験でも、自分なりの工夫や努力があれば、立派なガクチカになります。
テーマの選び方:アルバイト・部活・ゼミなど
テーマを選ぶ際に大切なのは、自分の強みが自然に伝わるものを選ぶことです。以下は定番テーマと、それぞれのアピールポイントです。
テーマ | アピールしやすい強み |
---|---|
アルバイト | 責任感、工夫、接客スキル |
部活動 | 協調性、継続力、目標達成への姿勢 |
ゼミ・研究 | 論理性、探究心、粘り強さ |
たとえば、個人ではなくチームで結果を出した話をしたい場合は部活、理論的に物事を深掘りした経験を語りたい場合はゼミが適しています。自分がその経験を通じて何を得たかを振り返り、それが応募先企業の価値観とどう結びつくかを意識すると、より伝わる内容になります。
まずは自分の中にある小さな行動の積み重ねに目を向けてみましょう。そこに、あなたらしいガクチカのヒントが必ず隠れています。
読まれるガクチカの書き方と構成法

せっかくエピソードを用意しても、伝え方次第で印象が大きく変わります。採用担当者は限られた時間で多くのエントリーシートに目を通すため、最初の数行で「読んでみたい」と思わせる工夫が必要です。また、内容に一貫性があり、論理的に整理されていると、それだけで評価は高まります。ここでは、読みやすく心に残るガクチカの構成法と表現技法について解説します。
書き出しで惹きつけるポイントとは?
ガクチカは出だしが命です。多くの学生が「私は〇〇に力を入れてきました」と始めますが、それでは印象に残りません。採用担当者の目を引くには、「数字」や「意外性」を盛り込んだ書き出しが効果的です。
例:
「文化祭で約1,200人を集客したステージ企画の責任者を務めました。」
このように、インパクトのある成果を冒頭に置くと、「どんな工夫をしたのだろう?」と続きを読みたくなります。あえて失敗から始める方法も有効です。たとえば、「最初のミーティングで全員が沈黙してしまいました。」という一文から始めることで、ドラマ性が加わります。
基本構成:結論→背景→行動→結果→学び
読みやすく、評価されやすい文章にするには、以下の順序を守ると効果的です。
- 結論(何に取り組んだか)
- 背景(なぜその活動をしたか)
- 行動(どう工夫したか)
- 結果(どうなったか)
- 学び(何を得たか、今後どう活かすか)
この順で書くことで、読み手は内容を一貫して理解できます。たとえば、「カフェのアルバイトで売上を20%伸ばした経験」は、結果を先に伝え、その後で「ポップ作成を自ら提案し、季節商品を売り出した」という行動の詳細を語ると説得力が増します。
PREP・STAR法で説得力をアップ
より論理的に伝えるためには、文章構成法を活用するのが効果的です。就活で特に使いやすいのはPREP法とSTAR法です。
フレーム | 構成 | 向いている用途 | 特徴 |
---|---|---|---|
PREP法 | 結論 → 理由 → 具体例 → 再結論 | 面接での回答、短文形式のエントリーシートに最適 | 結論が明確で、要点が伝わりやすい |
STAR法 | 状況 → 課題 → 行動 → 結果 | 長文エントリーシート、面接での深掘りに有効 | ストーリー性があり、行動背景を丁寧に伝えられる |
たとえば、PREP法では「私は接客力があります。その理由は~という経験があるからです。具体的には…」という構成で簡潔に伝えられます。STAR法では、より物語的に展開し、「どんな場面で、何に困り、どう動いたか」を自然に表現できます。
型に沿って書くことで、自分の伝えたいことを整理しやすくなり、相手にも伝わりやすくなります。まずはひとつのエピソードで構成を試してみましょう。しっくりこなければ、視点を変えてもう一度組み立て直すことで、内容に深みが出ます。伝える力は練習次第で必ず伸ばせます。
目的別・文字数別の例文集
ガクチカはテーマの選び方や構成に加えて、文字数や表現にも工夫が必要です。ここでは、実際の400字例文を交えながら、アルバイトや部活動などの経験をどう見せるか、そして読まれる書き出しや締め方のバリエーションについて解説します。自分の体験に近いパターンを参考にしながら、表現の幅を広げてみてください。
アルバイト経験:400字例文と解説
例文:
私はカフェのアルバイトで、売上が伸び悩んでいた平日の集客を改善するため、自ら「雨の日限定クーポン」を提案しました。店長に企画を認めてもらい、POP作成やSNS投稿も担当しました。結果、実施から2週間で来店者数が平均12人から19人に増加し、リピーターも増えました。この経験を通じて、現場の課題を見つけ、具体的に行動する力と、スタッフとの連携の大切さを学びました。
解説:
この例では「課題発見→主体的な行動→成果→学び」という構成を400字で端的にまとめています。特に数字(来店者数)や行動内容(クーポン企画、POP作成)が具体的で、短い中でも読み手にイメージさせやすくなっています。アルバイト経験は差別化が難しいため、「自分ならではの視点」や「工夫の中身」をどこまで具体化できるかがカギです。
部活動経験:失敗→成長の構成で見せる
部活動は「継続力」「協調性」「目標達成力」を伝えやすいテーマです。特に効果的なのが、初めの失敗や挫折からどう立て直したかを描くストーリー展開です。
例:
高校時代、私はバレーボール部で副キャプテンを務めていました。最初は意見が対立し、チームの雰囲気も悪化。しかし、練習後に一人ずつと話す時間を設けるようにしてからは、徐々に信頼関係が生まれ、県大会ベスト8という目標を達成しました。この経験から、組織の中での信頼構築と、諦めずに関係を築く重要性を学びました。
「成長の軸」を持ったエピソードは、面接でも深掘りされやすく、話しやすくなります。評価されるのは成果だけでなく「その人がどう変化したか」です。
書き出し・締め方のバリエーション
ガクチカは「どんな言葉で始まり、どう終えるか」によって印象が大きく左右されます。型にはめすぎず、文調や語彙で個性を出すことも可能です。
書き出し例:
- 「1日100人以上が訪れるカフェで、私は接客リーダーを任されていました。」(具体的数字で惹きつける)
- 「全員の意見がぶつかって、会議がまとまらない。そんな状況に直面しました。」(トラブル導入型)
締め方例:
- 「この経験を通じて得た対話力は、今後の職場でも活かせると確信しています。」
- 「今でもあの成功体験が、自分の原点となっています。」
文章全体の流れを意識しながら、書き出しと締めを磨くことで、読み手に残るガクチカに仕上げましょう。まずは自分が自然に語れる表現から始めてみてください。
より良いガクチカに仕上げる実践的コツ

ガクチカは、一度書いたら終わりではありません。企業ごとに伝えるべき角度を調整し、面接でも自信を持って話せるように仕上げていく必要があります。ここでは、他者からのフィードバックの受け方や複数エピソードを用意する理由、そして面接で深掘りされてもぶれない思考整理の方法について、実践的な視点でお伝えします。
フィードバックの活かし方と改善ステップ
完成したつもりの文章も、他人の目から見ると「伝わりにくい」「印象が弱い」と感じられることがあります。だからこそ、第三者からのフィードバックが重要です。おすすめの流れは以下の通りです。
- 客観的に見てくれる人を選ぶ
ゼミの先生、キャリアセンター、就活経験のある先輩などが適任です。 - 目的を伝える
「このエピソードでリーダーシップを伝えたい」など、見てほしいポイントを明確にします。 - 指摘された点を分解し、再構成する
「話が抽象的」という指摘があれば、数字やエピソードを具体化する工夫をしましょう。
たとえば、ある学生が「部活で頑張った」と書いた文章を、「週3回、朝練含めて200回以上の練習に参加し…」と具体的に書き直しただけで、印象がまったく変わった事例もあります。
エピソードを複数用意する意味とは
企業や業界によって、評価されるポイントは異なります。一つのガクチカでは対応しきれないことも多いため、テーマの異なるエピソードを複数持っておくことが大きな武器になります。
たとえば、以下のような使い分けができます。
エピソードのタイプ | 向いている業界例 |
---|---|
売上向上の工夫 | 営業、販売、マーケ系 |
チーム内の調整力 | 教育、福祉、企画職 |
学問的な粘り強さ | 研究、エンジニア、官公庁 |
面接で「他にがんばったことはありますか?」と聞かれる場面も多いため、少なくとも2〜3本は用意しておくのがおすすめです。
面接で深掘りされてもブレない整理法
面接では、エントリーシートに書いた内容を深掘りされます。表面的な作文ではなく、「なぜその行動を選んだのか」「どんな思考のもとに判断したか」を言語化しておくことが不可欠です。
そのために有効なのが「5W1H」での深掘りです。
- Why:なぜそれをやろうと思ったのか
- What:何に取り組んだのか
- How:どんな工夫をしたのか
- When・Where・Who:そのときの状況や関係者は?
これを自問しながら整理しておくと、どんな質問にも自然に対応できるようになります。
面接本番であわてないためにも、書いた内容を読み返しながら、口に出して練習しておくと安心です。
文章の完成がゴールではありません。どんな場面でも自信を持って語れるよう、準備と練習を重ねていきましょう。
よくある質問

Q. ガクチカの書き始め方は?
書き出しは読み手の関心をつかむ重要な部分です。よくある「私は〇〇に力を入れてきました」では埋もれやすいため、数字や感情、場面描写から始めると効果的です。
例:
「週5で深夜帯に働く、大学近くのコンビニで、私は接客責任者を任されていました。」
このように、具体的な状況を描くことで、続きを読みたくなる流れが生まれます。まずは自分のエピソードを一文で表す練習から始めてみてください。
Q. ガクチカを盛ったらバレますか?
「少しならいいか」と思って話を大きくすると、面接での質問に答えられなくなり、すぐに見抜かれます。採用担当者は何百人もの学生と向き合ってきた経験があるため、不自然な設定や過剰な成果はすぐに疑われます。
エピソードは事実をもとにし、誠実に語ることが基本です。内容が地味でも、行動や思考を深く語ることで評価されることは十分にあります。
ガクチカでGPAが3は優秀ですか?
GPA3.0は、大学の評価基準にもよりますが、全体として「平均以上」と見なされるラインです。ただし、企業によってはGPAよりも人物像や実践力を重視する傾向があり、ガクチカでの表現次第で印象を大きく変えることができます。
たとえば、GPAに触れる場合は「どのように勉強を工夫したか」「成績以外に力を入れたことは何か」といった補足が有効です。
ガクチカで嘘をついてもバレますか?
面接では、「なぜその行動をとったのか」「他に選択肢はあったのか」など、深掘りされた質問が飛んできます。嘘のエピソードではその場しのぎの回答しかできず、信頼を損なう結果になりがちです。
たとえ地味な内容でも、自分の言葉で自信を持って語れるエピソードこそが、もっとも強いガクチカになります。正直さと一貫性を大切にしましょう。
ガクチカで書いてはいけないことは何ですか?
以下のような内容は避けたほうが無難です。
- 法令違反や倫理的に問題がある行為
- 他人や組織を否定する表現
- 漠然とした主張だけで、行動の裏付けがない話
たとえば「努力しました」「頑張りました」だけでは評価されません。「何をどう工夫したか」を伝えることが重要です。
ガクチカの強さランキングは?
ガクチカに「絶対的な強さ」は存在しませんが、評価されやすい傾向はあります。以下は参考例です。
テーマ | 傾向 |
---|---|
長期インターン | 実務経験・主体性が伝わりやすい |
部活動・体育会 | 継続力やチームワークの象徴 |
学業・ゼミ研究 | 論理性や計画性を表現しやすい |
接客アルバイト | 課題解決や対人スキルを具体的に伝えやすい |
重要なのはテーマそのものではなく、「その経験をどう掘り下げるか」です。自分にとって意味のある経験を、自分の言葉で整理することから始めましょう。ガクチカは“強い”話ではなく、“自分らしい”話が鍵です。
本記事のコツや例文を参考に、自分らしさを伝える文章を仕上げましょう。自信を持って選考に臨めるよう、今すぐガクチカの準備を始めてください。

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