就活のエントリーシート、どこから書き始めたらいいか迷っていませんか?この記事では、通過した例文や書き方のコツをていねいに紹介しています。文章が苦手でも大丈夫。読み進めるうちに、自分の言葉で書けるようになるはずです。
エントリーシートとは?基礎から整理

エントリーシートは、就職活動の初手として、とても重要な書類です。履歴書と似ているようで実は違いがあり、企業はこのシートを通じて「あなたがどんな人か」「どんな考えを持っているのか」を読み取ろうとしています。ここでは、エントリーシートの役割や書くべき内容、提出の方法など、書き始める前に知っておきたい基本をしっかり整理しておきましょう。
履歴書との違いと企業側の視点

履歴書が氏名や学歴、資格といった「事実の記録」を求めるのに対し、エントリーシートは「あなたがどんな人か」を伝える文書です。たとえば、同じ大学・学部を出た2人がいても、エントリーシートの内容次第で評価は大きく分かれます。企業はエントリーシートを通じて、応募者がどんな経験をしてきたのか、その中で何を考え、どのように行動してきたのかを読み取ろうとします。
実際、あるメーカーの人事担当者は「エントリーシートは面接で聞くべき話題の宝庫」と語っています。つまり、企業側にとっては、面接の予習資料であり、志望者の“人間らしさ”を感じ取る手段でもあるのです。
エントリーシートに記載する代表的な内容

エントリーシートに盛り込まれる内容は企業によってさまざまですが、以下の3つが特に多く見られます。
- 自己PR(あなたの強みとそれを証明する経験)
- 志望動機(なぜその企業を選んだのか)
- 学生時代に力を入れたこと(いわゆる「ガクチカ」)
ほかにも、「あなたの弱み」「5年後のキャリア」などの設問が加わることもあります。いずれの項目も、単にエピソードを並べるのではなく、読み手が納得できるよう論理的に構成することが求められます。
提出方法の種類(Web・PDF・Word等)と注意点
エントリーシートの提出方法は主に以下の3つです。
- Web入力フォーム(マイナビやリクナビなど)
入力欄に直接文章を記入するため、改行や文字数制限に注意が必要です。 - PDF形式での提出
手書き風のフォーマットが指定されることもあり、フォントや文字の大きさが見やすいかどうかが重要になります。 - Word形式での提出
編集や修正がしやすい反面、誤ってレイアウトを崩してしまうこともあります。提出前に必ずPDF化してレイアウトを確認しましょう。
提出方法によって求められる形式や注意点が異なるため、企業の指示を必ず確認することが大切です。万が一、提出形式を誤ると、それだけで不合格になることもあります。
エントリーシートの正しい書き方と準備

エントリーシートは、単なる文章力ではなく「自分をどう伝えるか」が問われる書類です。エントリーシートの書き方の基本構成や注意すべきフォーマットの違い、そして書く前にやっておくべき自己分析のポイントを整理します。スムーズにエントリーシートを仕上げるための準備力が、合否を大きく左右します。
書き方の基本構成とポイント
エントリーシートを書く際に意識すべきは、「伝わる構成」です。採用担当者は1枚のシートを数十秒で判断することもあり、話の流れがわかりづらいだけでマイナス評価になりかねません。
基本の構成は以下の通りです。
- 結論:最初に要点を述べる
- 理由・背景:その結論に至った理由を説明
- 具体例:エピソードや体験を交えて説得力を強化
- まとめ:その経験を通じて得たこと・今後にどう活かすか
たとえば「協調性が強み」と書く場合、「どういう場面で」「どんな工夫をして」「結果どうなったのか」まで具体的に書くことが重要です。曖昧な表現では伝わりません。エントリーシートは“ストーリーのある自己紹介”と考えると、構成の大切さがよくわかります。
フォーマット別の注意点(Word・PDF・ダウンロード形式)
エントリーシートのフォーマットにはいくつかの種類があり、それぞれに注意すべき点があります。
フォーマット | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
Web入力(マイナビ等) | サイト上で直接入力 | 改行不可の欄もあるため、見やすい文量を意識 |
Word形式 | 編集・保存がしやすい | フォントや段落のズレに注意。PDF変換前提で確認を |
PDF形式 | 見た目が整っている | 手書き感や読みやすさを意識。文字が潰れないように |
一部企業では、独自フォーマットのダウンロードを求められる場合もあるため、提出指示を見落とさないよう気をつけましょう。
書く前に整理すべき自己分析のコツ
良いエントリーシートは、よく練られた自己分析から生まれます。書き始める前に、自分の経験や価値観を「言語化」しておくことが大切です。
- 過去の経験を棚卸し(部活・アルバイト・ゼミなど)
- その中で得た学びや成長を簡潔にまとめる
- 企業が求める人物像と照らし合わせて調整
ある学生は、留学経験をただの思い出として書こうとしましたが、指導を通じて「多様な価値観をまとめるリーダーシップ」に焦点を当てることで、説得力のある自己PRに変えました。
エントリーシートは、書く前の準備でほぼ完成度が決まると言っても過言ではありません。まずは、自分の“伝えるべき核”をじっくり言葉にするところから始めてみてください。
頻出質問別の例文と解説

エントリーシートには、どの企業でもよく出される定番の質問があります。中でも、自己PR・志望動機・学生時代に頑張ったこと(いわゆるガクチカ)は、ほぼ必ずといっていいほど登場します。ここでは、それぞれの質問にどう答えればよいのか、構成の考え方や実際の例文を紹介していきます。よく使われる表現や伝え方のコツを知っておくことで、自分の経験をもっと伝わる形にできるようになります。
自己PRの例文と構成テンプレート
自己PRでは、「あなたはどんな強みを持っているのか」「どんな場面で発揮されたのか」を端的に伝える必要があります。効果的な構成は以下の通りです。
- 結論(強みの一言表現)
- エピソード(具体的な行動や場面)
- 工夫・成果(周囲への影響や数値)
- 学びと今後への活かし方
例:
「私の強みは、継続力です。大学2年から3年間、学内図書館のシステム管理を担当し、定期的な不具合対応や利用者の意見をもとに改善提案を継続してきました。その結果、月あたりの利用者満足度が約20%向上しました。この経験を活かして、御社のサービス改善にも地道に貢献できると考えています。」
短くても、強みが具体的な行動で裏付けられていることがポイントです。
志望動機の例文と企業別書き分け
志望動機は、企業研究の質がそのまま文章に反映されます。「御社の理念に共感しました」だけでは不十分です。企業ごとに下記を整理して書きましょう。
- なぜその業界なのか?
- なぜその企業を選んだのか?
- 自分の経験や価値観とどこが一致するか?
例:
「私は、課題解決型の営業に挑戦したいという思いから、BtoB事業を軸とする御社を志望しました。ゼミでのプロジェクトでは、顧客ニーズを深掘りし、既存の手法では解決できない課題に対し、新しい仕組みを提案した経験があります。御社の“提案力”を重視する営業スタイルに、私の経験が活かせると感じました。」
志望動機は、“自分がどう貢献できるか”を語ることが重要です。
学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)の例文
ガクチカでは、「どう頑張ったか」だけでなく、「なぜ頑張れたか」まで語ると説得力が増します。成果よりも、そこに至るプロセスが重視される傾向があります。
例:
「大学3年のとき、地域イベントの集客責任者を務め、SNS運用の戦略を立てました。当初、閲覧数は低迷していましたが、地域の特性に合った投稿時間帯と内容に修正したことで、2週間でフォロワー数が3倍に増加しました。原因を分析し、改善し続ける粘り強さを身につけました。」
具体性と行動の一貫性が伝わると評価されやすくなります。
よくあるその他の設問と模範解答
近年では、以下のような質問も増えています。
- あなたの短所は何ですか?
- 5年後の自分はどうなっていたいですか?
- 最近関心を持ったニュースについて教えてください?
これらは、「自己理解」「社会理解」「将来のビジョン」を測る設問です。短所を聞かれた場合は、ネガティブに終わらせず「その短所にどう向き合っているか」を書くと印象がよくなります。
たとえば、「私は慎重すぎるところがありますが、最近は期限内に判断を下す訓練として、時間を区切った行動を意識しています」といったように、改善の姿勢を示すことが大切です。
設問ごとの目的と意図を意識して、あなた自身の言葉でエントリーシートを構成してみてください。内容に一貫性があるほど、面接官の記憶にも残りやすくなります。
業界・企業別の内定者エントリーシートの例と傾向

就活では、業界によって評価されるポイントが少しずつ違います。同じ質問でも、企業ごとに好まれる答え方や表現のトーンが変わるのも特徴です。商社・IT・メーカーといった人気業界で求められるエントリーシートの傾向や、内定者の実例からわかる成功パターンを紹介します。あわせて、マイナビやリクナビでの提出方法についてもわかりやすく解説していきます。
商社・IT・メーカーなど人気業界の傾向
商社は「総合力」が評価されやすく、論理的な構成力とコミュニケーション能力の高さが求められます。たとえば、三菱商事のエントリーシートでは「失敗経験とその克服」が問われることが多く、過程の思考や再現性が重視されます。
IT業界では、変化に柔軟な人材が求められるため、ガクチカや自己PRでは「試行錯誤の過程」や「自ら学び改善した経験」が評価されます。たとえば「アプリ開発を独学で習得し、ユーザー数100人を達成した」ような定量的実績が効果的です。
一方、メーカーでは「誠実さ」や「継続力」といった、長期的な信頼関係を築ける人材かどうかが問われます。エントリーシートでは、部活動やアルバイトなどの地道な努力をコツコツ続けた経験が好印象を与えます。
実際の内定者のエントリーシートから学ぶ成功パターン
内定者のエントリーシートに共通しているのは「一貫性」と「具体性」です。たとえば、ある食品メーカーの内定者は、自己PRで「困難に直面しても粘り強くやり抜く力」と書き、ガクチカではその姿勢を示すサークル運営のエピソードを紹介しています。このように、エントリーシート全体で一つの人物像がブレずに描かれていることが高評価につながります。
また、文量や構成にもしっかりとした工夫が見られます。結論から述べ、背景→行動→結果→学びといった流れで整理されており、読みやすさが意識されています。文章は600字以内でも、印象に残る表現が随所に盛り込まれており、読み手の記憶に残ります。
エントリーシートが通過した人の多くは、フィードバックをもとに何度も書き直しています。自己完結型ではなく、第三者の目を通すプロセスが成功を分けるのです。
マイナビ・リクナビでのエントリーシート提出の仕組み
マイナビやリクナビでは、エントリーと同時にWebフォームでエントリーシートの提出を求められるケースが増えています。文字数制限がある欄が多く、改行できない場合もあるため、事前に文字数をカウントしておく必要があります。
- 応募画面からエントリーシート記入ページに進む
- 各設問ごとに文字数制限が表示される(200〜400字が多い)
- 入力後に一度内容を保存し、下書きとして確認可能
- 内容に誤りがなければ提出ボタンを押して完了
特に注意したいのは、「一度提出すると修正できない」仕様の企業もある点です。下書きを保存したあとに、必ず別のツールで読み直しや添削を受けましょう。
業界ごとの傾向と内定者のエントリーシートを参考にしながら、自分のエントリーシートにどんな要素を組み込むべきかを再確認してみてください。次章では、実際に評価が下がってしまう失敗パターンとその回避策を紹介します。
よくある失敗例と改善策

エントリーシートで落ちる原因は、内容そのものよりも「伝え方」にあることが少なくありません。どれほど魅力的な経験があっても、構成や表現に問題があれば採用担当者の心には残りません。実際によくある失敗と、それをどう改善すればよいのかを、具体例を交えて解説します。
書き出しが弱い/印象が薄い文章
エントリーシートの最初の一文は、面接官の興味を引くための勝負所です。「私は学生時代、いろいろな経験をしました」などのあいまいな書き出しでは、印象に残りません。
改善するには、「結論ファースト」で始めるのが鉄則です。たとえば、「私は2年間のイベント運営で、来場者数を3倍に増やしました」といったように、成果や強みを最初に伝えることで、読み手の関心を一気に引きつけられます。
さらに、文のトーンにも工夫が必要です。丁寧すぎて感情が見えない文章は、人柄が伝わりません。少しだけ自分の言葉を加えて、「等身大の語り口」に近づけると自然で印象的になります。
定量的・具体的表現が不足している
「頑張った」「努力した」だけの文章は、説得力に欠けます。たとえば、「接客のアルバイトで成長しました」と書かれても、何をどう頑張ったのかがわからなければ評価できません。
ここで有効なのが、数字や比較を使って表現する方法です。
NG例:「売上向上に貢献しました」
改善例:「季節メニューの提案で売上を20%向上させました」
数字を入れるだけで、成果の大きさとリアリティが一気に増します。また、「どんな工夫をしたのか」「周囲の反応はどうだったか」など、状況の描写を加えることで、さらに読みごたえのある内容になります。
誤字脱字・NGマナーのチェックリスト
内容が優れていても、誤字脱字や形式の乱れがあると、それだけでマイナス評価になります。企業側は「仕事でもケアレスミスをするのでは」と感じてしまうからです。
エントリーシート提出前に必ずチェックしたいポイント
- 誤字脱字や表記ゆれはないか(例:「リーダー」「リーダ」)
- 改行位置は整っているか(読みやすさの配慮)
- 丁寧語・敬語が正しく使われているか
- 提出形式が企業の指定通りか(Word/PDF/Web入力)
提出直前に音読すると、文章のリズムや違和感に気づきやすくなります。また、可能であれば第三者に読んでもらいましょう。自分では気づかないミスも見えてくるはずです。
就活は“伝える力”が試される場です。細かなミスを防ぎつつ、自分の強みを正確に届ける工夫を重ねてください。
よくある質問

Q. 就活のエントリーシートには何を書く?
エントリーシートには、自己PR・志望動機・学生時代に頑張ったこと(通称ガクチカ)などが主に求められます。企業はこれを通して、あなたの人柄や価値観、仕事への向き合い方を読み取ろうとしています。経験だけでなく、そこから得た学びや成果をどう活かすかまで含めて書くことが重要です。構成は「結論→理由→具体例→学び」が基本です。
Q. 就活で全落ちしてしまう確率は?
全落ちの確率は人によって異なりますが、実際にはエントリーした企業数が少なかったり、書類内容に共通の弱点があったりする場合に高くなります。平均して10~15社以上に応募しても全落ちする人もおり、特に人気企業ばかりを狙っていると起こりやすいです。原因を分析し、エントリーシート添削や面接練習で軌道修正すれば十分に挽回可能です。
Q. 志望動機でダメな例は?
志望動機でありがちなNG例は、「御社の雰囲気が良さそうだと思いました」「有名だからです」といった内容です。これらは曖昧かつ他社でも通用する表現であり、あなた自身の考えや経験が反映されていません。志望動機は、「なぜその企業なのか」「自分の経験とどうつながるか」を具体的に語る必要があります。企業研究と自己分析をしっかり行いましょう。
Q. 志望動機で「思いました」の言い換えは?
「思いました」は曖昧で幼い印象を与えるため、言い換えとしては「確信しました」「魅力を感じました」「必要性を感じました」などが効果的です。たとえば「御社の理念に共感しましたので、志望しました」などと具体化することで、文章全体の説得力が増します。なるべく主観を裏付ける客観的な理由とセットで使うことがポイントです。
Q. エントリーシートに書いてはいけないことは?
エントリーシートで避けるべきなのは、「根拠のない自信」「企業への否定的な表現」「学生らしからぬ言葉づかい」などです。また、「御社で○○したいと思います」など漠然とした表現も印象が薄くなります。さらに、使い回しが明らかな文章や、誤字脱字があると評価を下げる原因になります。誠実さと論理性、企業への理解が伝わる内容にすることが大切です
Q. エントリーシートで「貴社」と書くべきですか?
基本的にエントリーシートでは「御社」ではなく「貴社」と書くのが正しいとされています。書き言葉では「貴社」、話し言葉では「御社」を使い分けるのがマナーです。ただし、どちらか一方に統一されていれば減点されることは少なく、重要なのは文全体の整合性と丁寧な表現です。形式に迷ったときは「貴社」で統一するのが無難です。
就活エントリーシートは、内容だけでなく構成や表現にも工夫が必要です。この記事を参考に、伝わる文章であなたらしさを届け、納得のいく結果をつかんでください。

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