- 基本情報
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Mizukiさん
大学2年で参加
私は、福岡でスリランカのコミュニティと深く関わり、イベントなどでスリランカカレーの販売をお手伝いしていました。その中で、本格的にキッチンカーを使った飲食ビジネスを始めたいと考えるようになりました。そんな時に、カンボジアで“カンボジア人があまり好まないカレーを売る”というユニークなプログラムであるサムライカレーを知り、興味を持ちました。ビジネスやマーケティングについて学べる機会であり、またコロナ禍で長らく海外に行けなかった中、ついに海外で活動できるという点にも惹かれて参加を決意しました。
参加する前は、フィリピンやタイに訪れた経験があったため、カンボジアも同じように暑く、現地の人々はフレンドリーな印象を抱いていました。しかし、実際に訪れてみると、カンボジアの人々は他のアジア諸国と比べて人見知りで、のんびりした雰囲気があると感じました。例えば、トゥクトゥクの運転手さんたちは、こちらが話しかけない限り声をかけてこないことが多く、座席でくつろいでいる姿が印象的でした。一方で、街が非常に清潔であることや、アメリカドルが流通している点など、独特の文化的・経済的な特徴に驚きました。
このプログラムでは、自分たちで“何を売るか”“いくらで売るか”“どこから仕入れるか”を決め、設定された目標売上を達成する必要がありました。そのため、チーム内で役割を分担し、それぞれが責任感を持って活動しました。市場調査では、カンボジア人100人以上にインタビューを実施しましたが、言語の壁に苦労しました。
英語があまり通じないため、Google翻訳でクメール語を活用しましたが、文字が読めないと言われたり、人見知りで回答を得られなかったりすることがありました。そのため、画用紙に質問を記載し、選択肢を指差してもらう方法に切り替えた結果、協力してくれる人が増え、有意義な調査を行うことができました。さらに、販売するカレーの味付けについては、ホテルのカンボジア人シェフたちが試食に協力してくれたおかげで、現地の味覚に合った商品を提供でき、販売当日に目標売上を無事達成しました。
私は理工学部で情報科学を学んでいますが、このプログラムを通じてビジネスへの興味をさらに深めるとともに、貧困や平和構築の分野にも強い関心を持つようになりました。売上金の寄付先であるカンボジア小児病院や、ジェノサイドの歴史を伝えるキリングフィールドを訪れた際には、過去の歴史が現在にも深い影響を与えている現実に衝撃を受けました。
また、SDGsや社会問題解決について学び、これをきっかけにルワンダでの国際協力スタディツアーや大学での多様性に関する授業に参加し、成績優秀賞を受賞することができました。さらに、シリコンバレーでのソーシャルイノベーション短期プログラムに奨学生として派遣される機会にも恵まれました。
これらの経験を通じて、人前でのプレゼンテーションスキルが向上し、大学の留学補助制度を活用して行った報告会では高評価を得ました。その後、別の授業に招かれ、150人以上の学生の前で発表する機会を得るなど、大きな成長を実感しました。現在はイギリスの大学院で開発学を学ぶことを目指し、国際協力の道を模索しています。このカンボジアでのサムライカレープロジェクトは、私が本当に興味を持つ分野や将来の方向性を見つける大きなきっかけとなりました。