マーケティング分析、市場調査、ペルソナ分析と様々な手法で「売れる商品」を探偵のように探っていった村井さん。ですが、ただ数が売れるだけではなく、ビジネスでは「利益(儲け)」が重要だとわかります。原価を下げるなど、ベーシックな会計的な問題を工夫しながら、チームをまとめて売上を伸ばして行きました。
Q.カンボジアインターンシッププログラムで行ったこと。
私は、カンボジア・プノンペンで4週間、カレー屋の経営を体験するという、インターンシッププログラムに参加しました。
このプログラムでは、2週間ごとに「ミッション」と呼ばれる業務目標が掲げられ、これを達成するため6-10人のチームで業務を行います。前半2週間、後半2週間と2つのフェーズに分け、それぞれ別の場所で販売を行いました。
前半はAEON MALLプノンペンのバレンタインフェアでスイーツの販売、後半は王立プノンペン大学で開催された、2万人以上のカンボジア人が集まるお祭りで食べ物の販売です。前半で私たちはカンボジアの人たちにスイーツを販売するにあたって現地ではどのような食べ物が販売されているかを調査しました。
実際に私たちが商品を販売するAEON MALLやTKアベニュー、シティモールといったショッピングモールでの競合店分析からスタートです。モールにある50店以上の飲食店をマーケティングの4P分析を使って調査・分析することで製品や値段、場所、広告など様々なお店の販売の工夫がわかりました。
例えば、カンボジアの人たちは甘いものが大好物で派手な色を好みます。販売時期がバレンタインデーと被るということで甘いスイーツを売ることになりました。
さらに、実際に販売するAEON MALL内のスイーツ店のペルソナ分析を行い、スイーツを買っている人はどのような人が多いか細かく分析することができました。ペルソナ分析の結果、販売ターゲットを10代〜20代の女性に絞り込みSNS映えするような商品を販売することになりました。
4P分析とペルソナ分析をして、班のみんなと会議をした結果、自分たちの調査から導きだした白玉パフェと、過去に売れた実績があるわたあめを販売することになりました。
何故か、「わたあめ」しか売れなかった・・・。
しかし、実際に販売してみると白玉パフェは全くと言って売ません。
そして、わたあめだけが売れてました。
また、自分たちが考えた商品が売れないという問題だけではなく中国の旧正月の影響でAEON MALLに来る人が少なく、売上は右肩下がり。売り上げ目標1000ドルを超えることが難しくなってきました。
なぜならば白玉パフェ1個作る時間が売れてるわたあめより時間がかかってしまうことにより限界利益が目標の1000ドルを下回っていたからです。
その打開策として、販売リードタイムをほぼゼロに出来るものは?となり、商品の作り置きができるラスクを販売することになりました。また、わたあめが売れていたのでわたあめで並んでいる人にラスクを無料で試食してもらいその流れでラスクを買ってもらうことや、わたあめを持ち歩いてアピールするなどできる限りのことを行いました。
結果から言うと最終売上は700ドルほどで目標価格には及びませんでしたが初日に比べて集客50人アップ、売上も60%上げることができました。後半は王立プノンペン大学で行われる祭りで、利益を出すというミッションにチャレンジしました。売上ではなく利益なので、原価・経費をいかに下げるかがポイントになります。
まず私たちは、2チームに分かれて王立プノンペン大学で100人にアンケートを行いました。私は、英語の聞き取りや話が全くと言っていいほどできなく、できないなりに100人のアンケートをわかりやすく細かく分析できるようにアンケートをまとめることを心がけて頑張りました。
アンケートの結果、私たちのチームでは焼き鳥が圧倒的に人気でもう1チームに調査の結果、焼き鳥がいいのではと提案したのですが様々な意見の食い違いで販売する商品が決まらず、販売初日に各々売りたい商品を販売することになりました。
そして、あまりにもチームはバラバラに行動してしまいチームの方向性は定まっていなくチームとしては崩壊の危機でした。
そこで改めてチームで話し合いをすることにしました。商品は何を売るのか?とは別にチームとしてどうありたいかという会議をしました。今のこのチームに思っている目標や不満を全て言い合い、1人の男性が涙を流しながらチームのこれからを語ってくれました。
そこからチームは1つになり本気で成功させたいなと思いました。販売初日で1番売れていた焼き鳥、わたあめ、そしてお祭りで楽しくやろうと言うことで流しそうめんを販売することになりました。
流しそうめんが思いのほかひとだかりができとても、売れると思いきや、ただ見ていくだけでした。
お金を払ってやってくれる人がほとんどいません。そこで流しそうめんを無料にして、最後のゴミ回収と同時にチップボックスを見せてお金を集めるやり方にしました。
それも、利益にはならず人は集まるのにお金は集まらないという、想像もしていなかった状況になってしまいました。
しかし、チームのみんなは最後まで諦めずその打開策を考えました。
その結果、流しそうめんで集客した人を、わたあめ、焼き鳥の売上に伸ばすことに成功し、流しそうめんで集客してなかった時よりも売上は40%上げることができました。最終的に大きな利益を上げる成功を収めることができました。
◆この経験を通じて、工夫して頑張ったことろ。
私は前半では白玉パフェを作るまでの工程のレシピを作ったり、商品の原価計算を頑張ったと思います。
各自が色々な準備をしていて、白玉パフェを1から完成形まで作れる人が少なかっため自分たちが考えた白玉パフェをレシピを見て確実に作れるように心がけました。最終的には白玉パフェはボツになってしまいましたが(笑)
後半ではまず100人アンケートを頑張ったと思います。私は英語があまり得意ではなかったのですが不得意だからただ突っ立てるだけではなく自分が今できることを探しその結果100人アンケートの回答をわかりやすく細かく分析できるように工夫して集計できたと思います。
次に焼き鳥を販売することになった時、より安くお肉を仕入れるためにローカル市場で朝6時に起きて買い出しに行ったりuberの値段が安くなる所まで歩いたり経費をなるべく使わないように工夫して頑張れたと思います。
白玉パフェが売れなかった時や、流しそうめんで集客はできるのにお金は払ってくれないといった事態になってもすぐ諦めず売れなかった原因をしっかりと考えられるようになりました。
将来は、海外でモノを売る仕事に、興味が湧いた。
サムライカレーに参加するまで自分の将来やりたい事など正直なところ全く決まっていませんでしたが今回の経験を得て海外でモノを売るような仕事もとてもやり甲斐があっていいなと思いました。
また、言葉が通じなくても身振り手振り、伝えたい意思さえあればしっかりと伝えることができ、そこの点において成長できたなと考えます。