- 基本情報
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井上琵捺乃さん
大学1年生

私は、「どうせ海外に行くなら、自分を変えられるような経験がしたい」と考え、サムライカレープロジェクトへの参加を決めました。きっかけは、大学の掲示板で偶然目にした一枚のチラシ。そこに書かれていた「観光では得られない実践型インターン」という言葉に、強く心を惹かれたのです。
参加前の私は、カンボジアに対して「木造の家が並ぶ乾いた土地」や「砂埃が舞う素朴な街並み」といった漠然としたイメージを持っていました。危険な場所という印象は特にありませんでしたが、どこか“発展途上国”として見ていた自分がいたのも事実です。

しかし、実際に現地へ降り立つと、そのイメージは一瞬で覆されました。空港を出た瞬間に広がる近代的なビル群、カフェでパソコンに向かう現地の若者たちの姿、そしてすれ違う人々のあたたかな笑顔。その光景を目にしたとき、私は初めて「発展」の意味を経済指標だけで判断していた自分の視野の狭さに気づかされました。人々は、自分の暮らしに誇りを持ち、毎日を楽しんで生きていたのです。
プログラムの中で特に印象に残っているのは、出店商品の企画と販売の経験です。最初は“たこ焼き”を販売しようと考えていました。手軽で利益率も高く、見た目のインパクトもある完璧な選択に思えました。しかし実際に試作してみると、スパイス文化に慣れた現地の人には味が受け入れられず、さらに必要な材料も揃わないという課題に直面してしまいました。悩んだ末、私は「ベビーカステラ」へと切り替える決断をしました。見た目はたこ焼きに似ていますが、甘くて親しみやすいスイーツです。

ただ、販売初日は思うようにいきませんでした。利益を意識しすぎて高めに価格設定してしまい、通行人は商品に目を向けても、ためらいながら素通りしていくばかり。夜、市場の喧騒が静まった屋台の裏で、一人座り込んで自分の甘さと向き合い、深く反省しました。
翌日は価格を思い切って下げてみたところ、状況は一変。開店直後から客足が途切れず、昼過ぎには完売。売上は初日の何倍にもなりました。この経験を通じて私は、「営業とは利益を押し付けることではなく、相手の立場に立って、選んでもらう工夫をすること」だと、自分なりに定義できるようになりました。
こうした経験は、大学1年生という早い段階で挑戦したからこそ、より深く自分の中に根づいたのだと思います。そしてその経験を自信を持って語ったことで、福岡県が支援する選抜型シドニーインターンシップ(訪問先:日立、東京海上、JIC、在豪日本領事館など)に合格することができました。周囲は名の知れた国立大学の学生ばかりで、最初は気後れしましたが、「あの挑戦をやり遂げた自分なら大丈夫」と自信を持つことができました。
素晴らしいプログラムだと思います。


