2019年1月22日、朝日新聞朝刊に私のこんな記事が掲載されました。
三角関数、中学校で教えなくてもよくね?という記事で、その理由は
「そもそも理解できる人が少ない」
「9割の日本人はなくても生きていける」
ので、もっと数学の基礎をやって、数学に興味を持った生徒(=三角関数が理解できる素養のある生徒)だけに教えればよくね?という話です。
このように数学に興味が持てない人が多いのは
「こんなもの、社会に出てから何の役に立つかわからない」
というのが理由です。
三角関数に興味を持つのはかなりの変わり者
いきなり、「三角形の三辺の比率がー」とかいわれ「sinθ=y/r」とかいう数式がでて興味を持つのはかなりの変わり者です。
やはり、この計算は、具体的にどんなことに使うのかを説明してから落としていくのがよいはずです。
興味を持ってもらうための、専門用語の教え方
例えば、サムライカレーでは、序盤でマーケティングの4Pというものを教えます。
その、教え方はこんな流れになります。
①目標「皆さんには、カンボジアカウントダウンフェスの会場で300ドルの売上を上げていただきます。」
②困難「しかし、カンボジア人はカレーが嫌いな人が多いので、カレーを売ってもおそらく目標は達成できません。そこで、みなさんには、フェスにくるカンボジアの人たちが、どんなものなら買ってくれるかを調査し、それを売ってもらうことになります」
③解決策「じゃあ、どんなものが受けるのか?それは、この場で皆さんが考えても絶対に見つかりません。皆さんはカンボジア人ではないので。そこで、調査を行う必要があります。まずは、他のお店がなにをやっているかの「競合分析」を行う必要があります」
④解決ツール「競合分析といっても、ただ競合店を見るだけでは、必要なことはわかりません。
そこで、これだけは抑えておけ!という4つのポイントを今から説明します。それを、マーケティング用語で4Pと言います。
Product(製品), Price(価格), Place(場所), Promotion(売り方)です。
では、一つ一つ説明していきましょう」
まず、①目標:目標を設定します。そして、②困難:その目標への道筋を明示し、そこにある困難のポイントを伝えます。
そして、③解決策:その困難をクリアするための方法を提案した上で、④解決ツール:それをやるために役に立つ理論が「マーケティングの4Pである」ということを伝えるわけです。
このように、生徒がこれからなにをすべきかを明確にし、それをクリアするために必要なものだから学んだ方がいいよと説明すると、きちんと興味を持って学んでくれるのです。
じゃあ、日本の教育をどう変えればいいの?
日本の学校では(少なくとも私が中高生だった頃は)
「受験/期末試験で役に立つから、この公式を覚えろ」としか言われていませんでした。
それじゃ、学ぶ気にもならないってもんです。
とはいえ、全ての学習項目について、このように丁寧に教えていると、どう考えても時間が足りません。
だから、各科目の基礎的な部分だけ丁寧に教え、そこから先は選択制にすべきなのです。
そして、理解が早い生徒は、1を聞いて10を知る事ができるので、1を学んだ時点で飛び級させて、どんどん新しい事を教えるべきなのです。
頑張れ、先生!
サムライカレーは年間数百人レベルの学生に向けたプログラムなので、この辺はしっかり管理をすることができます。それは、年間数十万人を教育する学習指導要領とはきめ細かさが根本的に違うということも理解してます。
とはいえ、現代日本の大人の数学能力を考えたら、無駄が多すぎることは明確なわけで、きちんと改善していくことが大切だと思うわけです。