- 基本情報
-
曲渕雄大さん
大学2年生

私は、大学生のうちに一度は大きなチャレンジをしたいと考えていたときに、学内のスチューデントハブで偶然目にしたサムライカレーのパンフレットに心を奪われたことがきっかけで、参加を決意しました。どうせ挑戦するなら、自分の常識が通じないような場所で勝負したい!そう考えていた私にとって、「カンボジアで物販を通じてビジネスを体験する」というこのプログラムは、ただの“留学”では得られない、リアルな実践の場に思えたのです。
参加前は、カンボジアに対して「雑然とした町並み」「未舗装の道路」「トゥクトゥクがクラクションを鳴らしながらすれ違う喧騒」といったイメージを抱いていました。経済的にはまだ発展途上で、生活環境も厳しいのではという不安があった一方で、「人懐っこくて明るい人々との出会いがあるかもしれない」という期待も心のどこかにありました。
しかし、実際にプノンペンの街を歩いた瞬間、そんな印象は一変しました。舗装された大通りには高層ビルが立ち並び、ショッピングモールのガラス越しには最新のファッションブランドがずらり。高級車がビルの前に止まり、カフェではWi-Fiを使いながら作業する若者たちの姿がありました。スパイスの香りが漂うローカル市場のすぐ横で、着実に進む近代化を肌で感じました。最初は「異国で生きる」ことに緊張していた私でしたが、この予想外のギャップに驚き、やがて街と人の魅力に惹き込まれていきました。

プログラムの中で特に印象に残っているのは、チャーハンを販売した日の出来事です。準備段階で、私たちは誤って“餅米”を購入してしまいました。炊き上がったご飯はベタついていて、見た目も食感も通常のチャーハンとは大きくかけ離れており、結果として6時間でわずか5食しか売れませんでした。正直、とても落ち込みました。「もう無理かもしれない」と思った瞬間もありました。
しかし、私たちはそこで諦めませんでした。仲間と話し合い、思い切って販売場所を変更し、人通りの多い通りへと移動。手作りのベビーカステラを手に、笑顔で呼び込みを続けた結果、少しずつ足を止めてくれる人が増え、最終的には前日・前々日を超える売上を達成することができました。「諦めなかったこと」が報われたと、心から感じた瞬間でした。
その経験を通じて、私は海外の人とも物怖じせずにコミュニケーションが取れる自信を得ました。たとえ言葉が通じなくても、表情やジェスチャー、そして「伝えたい」という思いさえあれば、人と心を通わせることができるのだと実感しました。文化の違いに戸惑う場面もありましたが、相手を理解しようと努めることで、どんな環境でも柔軟に対応できる力が自分の中にあると気づけたのです。そして何より、「知らない土地でも自分の力で生きていける」という確かな自立心が芽生えました。あのとき、勇気を出して飛び込んだからこそ得られた、かけがえのない感覚です。
2週間という短い間でしたが、ここには書き表せないくらいの多くの経験をしました。ありがとうございました。

