なぜ大学生は、途上国に来ると『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』という感想しか持てないのか
という記事が、2000RT、5000いいね越えと、壮大にバズっているのですが、この記事では、全ての学生がこのような感想しか持てないといっているわけではありません。
どんなところでも、自分で掘り下げていって、多くを学んでいく学生も、
どんな学生でも興味を持たせて、多くを学ばせることができるプログラムもあるのです。
では、それが具体的にどんなことか説明しましょう。
我々の運営する「サムライガチインターン@インド」は、ある私立大学の単位認定科目になっています。
この、インドガチインターンに参加した学生が、ビジネスプランコンテストで優勝し、シリコンバレーに行くことになりました。
シリコンバレーのコンテストで優秀な成績を収めると、出資をうけて本当に起業することになるそうです。
彼らが参加した「サムライガチインターン@ インド」は、
1週間インド在住日本人講師によるインドで働くために必要なスキルを、講義と実践で学び
その後2週間インド人しかいない、インド企業でインターンをするプログラムです。
このプログラムの中で、インドのリアルなビジネスの世界で一緒に働く中で、彼らは衝撃的な事に気付きます。
世界的IT人材排出国であるインドでは、IT人材供給過多で、工科大学を卒業しても30%くらいしか、IT企業に就職できない。
インドのシリコンバレーといわれるバンガロールの、ビジネスの現場で知った、意外な事実です。
実際、たまたま乗ったタクシーの運転手が大学でITを学んだものの、そのスキルを活かす場がまったくないということを、言っていました。
かたや日本では、IT人材不足が大きな問題になっています。
じゃ、このインドでIT企業に勤められなかったIT人材に日本で働いてもらう、日本企業の仕事をしてもらうことはできないのか?と考えるようになったわけです。
そして、日本に帰ってきてから、ビジネスプランを作り始めます。
プランの具体的な内容はここには書けませんが、インターン中に知り合ったインド人にヒアリングしたり、資料を提供してもらったりしながら情報を集めます。
インド人の就業感、求める給与、日本で働くことに対する印象といったことから、インドで事務所を借りるにあたっての家賃や人件費、ビザに関する問題など(インターン先のひとつはインドの法律事務所だ)、現地のリアルなデータを集めたのです。
こうやって、現地で感じた問題点を解消するための方法を、現地のリアルなデータを元に作ったビジネスプランは、他の大学生の作ったものとは、桁違いの詳細さで、見事優勝できたわけです。
彼らがインドで学んだことと『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』の違いは2点です。
ひとつめが、深さ。
現地の人と一緒に仕事をする中で、現地の問題をリアルに知る事できたわけです。
「インド人は頭が良くてIT企業に勤めている」というテンプレート的な情報で止まらず、「でもIT学んでもそのスキルが使えない人がたくさんいる」という生の情報を知ることができました。
これは「国際交流キャバクラ」ではなく、リアルなビジネスの場に自分を置いたからこその深掘りです。
ふたつ目は、行動力。
スタディツアーはツアーなので見るだけで終わりです。
『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』という感想をもったあと、特にやることはありません。
しかし、インターンシップ、つまりリアルなビジネスの場では、問題があったら解決しなくてはなりません。それをインドの会社で体験すると、日本に帰ってからも、あの時の問題を解決したくなるのです。
そして、その解決方法を考えるための方法論も、実情を調査するための人脈もインドで手に入れています。じゃあ、やっちゃうか!となって作ったのがこのプランなのです。
リアルな体験は、リアルなビジネスそして、リアルなお金に繋がる
今回、出資を得ることができれば、プランだけではなく、リアルに実行をすることになるわけです。(ちなみに、さっき私に対して「起業をする際に、気をつける事ってなんですか?」というアドバイスを求める質問をしてきた)
こうやって、リアルなビジネスの場に身を置くと、教科書に載っているような表面的な感想ではなく、もうちょっと深い社会課題をみつけられます。
さらに、リアルなビジネスを体験すると、課題を解決するための手段を手に入れることができます。
お金を払ってただ教えられた事を学んでいれば良かった学生から、自分で何かを解決し、お客さんを喜ばせることでお金をもらう社会人になる中間地点である大学生。
見るだけのスタディツアーを卒業して、リアルなビジネスを体験するインターンに挑戦することで、彼らのように、社会人の階段を登っていくことができるのです。
インドガチインターン
参考記事