孫正義×ジャックマー対談にみる「就活生が狼になる方法」

2019年12月6日 東大安田講堂で行われた、孫正義とジャックマーの対談を観てきました。
ここで、印象に残った言葉が

「狼同士は、匂いでわかる」(超訳)

この意味を解説した上で「匂いでわかってもらえる就活生になる方法」をお伝えします。

5分で決めて、無理矢理金を投資した

孫正義はITバブルがはじけた2000年ごろ、まだインターネット黎明期であった中国を訪れ、有力な企業家20人以上と会って、投資先を探します。

その中で、出会ったのが、後に時価総額5000億ドルを超え、アジア最大、世界でも7位の企業となるアリババグループの創業者、ジャック・マーだったのです。

孫さんは、会って最初の5分でジャック・マーに投資したいと強くおもったそうです。

経営者と話すとき、まず最初の5分で「何をしようとしているのか」を聴くんです。
するとみんなお金の話をする。経営だったり、事業計画の話ばかり。

でもジャックは違いました。彼はこれからの未来がどうなるか、どうあるべきかを話しはじめたんです。IT、テクノロジーで中国の社会がどう変わるかを話してくれました。

そう、彼はずっと「哲学」「理念」の話をしました。目がキラキラしていて、僕は心を掴まれたんです。

そして、既に資金はあったから要らないというジャック・マーに、5000万ドル(50億円)投資させてくれ!だめなら、3000万ドル!せめて2000万ドル!
と、異例の、投資してもらうお金の値下げ交渉を行いました。

どうしてそこまして、彼に投資をしたかったのか?
孫さんはこのように言っています。

「狼は、狼の匂いがわかるんだよ」

これはどういうことか。
簡単に言うと、自分と同じような考え、能力を持っている人は、多くを話さなくてもわかるということです。

・2000年当時の中国で、インターネットビジネスで世界トップ10に入れるような大企業を作れると、心から信じている。
・お金より先に「哲学」「理念」を考えている

このような共通項があったから、5分で意気投合し、投資の判断ができたわけです。

 

就活生のほとんどは、犬である

就活の面接もこれに近いところがあります。
面接の80%は始まって5分で決まるんです。

そこで「この就活生と働きたい」「この就活生は我が社にとって役に立ちそうだ」と思ってもらうためには、面接官と共通項がたくさんあれば有利なのです。

面接官と就活生、もっというと、社会人と就活生には、深くて長い溝があります。
それは「働いている |溝| アルバイト程度でしか働いたことがない」 です。

自分で考えて仕事をする人と、人からの指示でしか働いたことがない人には、狼と犬くらいの違いがあります。その匂いは5分でわかってしまうのです。

じゃあ、何をすべきか。
会社が出しているリアルなビジネス書類である有価証券報告書を読んで理解することであったり、
インターンでリアルなビジネスを体験することなのです。

そうやって、ちょっとだけでもビジネスの世界に自分の身体を置くことで、考え方が変わり、知識の量が変わり、話す事が変わるのです。

「この就活生は、他の就活生と言っている事が違う。学生気分が抜けている。ビジネスパーソンの匂いがする。」と思ってもらえれば、第一関門突破です。

このように「匂い」をつけるのは、別に難しいことではないのです。
でも、1日2日でできるものでもありません。

そして、その準備をしている就活生はごく少数なので、しっかり準備をすれば、犬の群れの中の狼のような存在感を放ち、次々と内定をとれるようになるわけです。

 

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某出版社編集長から企業の選び方を聞き、テレビ局内定者と一緒に自己分析にチャレンジするワークショップを行うイベントです。

お気軽にいらしてください。

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本対談の全文はこちら
【孫正義×ジャックマー特別対談】全文訳してみた@Tokyo Forum 2019