岡優奈さん (2014年8月生)
セブに英語留学中にサムライカレーを知った、岡さん。
「知る」研修終了後いきなり「屋台買ってもいいですか?」と言い出したときは驚いたでござるが、翌日、本当に買ってきたときにはもっと驚いたでござる。
その屋台での試行錯誤が、サムライカレー!その積極的な姿勢を多くの大学生の人に学んでほしいでござる。
1.なぜサムライカレーに参加しようと思ったのか?
小学生のころから海外に興味があり、幼いながらも海外で働きたいという思いがありました。
もともと国際協力関係を志望していたのですが、いろんなことを勉強していくうちに「あれ?なんか違くね…。」と感じ始めてだんだんやりたい仕事が分からなくなっていました。それでも海外で働きたい!という気持ちは変わっていなかったので、とりあえず英語だ!と思い、フィリピンへ。語学学校で勉強しているときに偶然森山さんが海外就職についての講演をしに来ました。
最初は「カレーの話なんかどうでもいいや、海外就職の話だけ聞いて帰ろう。」と思っていたのですが、サムライカレーの話を聞き終わったころには「絶対にカンボジアに行くんだ!」と決めました(笑)
なにが魅力的ってただのインターンじゃなくて自分で考えて自分で行動を起こさないと何も始まらないというところ。
海外でのインターンだって日本でやるのと内容が同じじゃ海外に行く意味がない。こんなの絶対面白いに決まってる!これも何かの縁。やるしかねぇ!と思い、帰国後すぐに申し込みました。
2.プノンペンの町はどうでござったか?
来ることを決めてからは普通に学生生活。カンボジアについて調べたり、言葉を覚えたりとか一切せずに来ました。旅猿を見たぐらい(笑)。
いざカンボジアに来てみると、自分の想像していた発展途上国であるカンボジアの感じは全くなく、そこらじゅうにスーパーマーケットはあるし、日本人経営の日本食レストランもたくさんありました。
Wi-Fiもいたるところでつながります。これは日本より便利ですね。AEONもあって欲しいものは大体手に入れることができます。正直、お金さえあれば永住できるかもしれない。
どんどん便利になっているプノンペンですが、私が一番好きな場所は市場です。しかも現地の人しか使わないような超ローカル市場(笑)。
現地の人しか使わないので英語は全く通じません!指さし会話帳を持って頑張ってクメール語を使っていると、すごく笑顔で優しく接してくれます。なんとタダにしてくれたことも!
市場では基本的に食材を買うのですが、日用品も結構売っています。主要なマーケットが3~4つあるのですが、オルセイマーケットはとくにすごいです。人と物がわんさか。しかもかなり広い。ここにないものはないんじゃないか!?というぐらいたくさんあります。ここはぜひ行ってみてほしい(笑)。
市場は大体16:00ぐらいに閉まってしまいます。19:00ぐらいになるとだいぶ暗いです。カンボジア人寝るの早い!このぐらいの時間からだとナイトマーケットというところが面白いです。とにかく洋服がいっぱい!なにやらLIVEもやっています。カンボジア人の数少ない娯楽です(笑)。
プノンペンでのお食事ですが、私は屋台で食べることが多かったです。鳥・牛・豚の肉を串に刺して焼いているのですが、これがめちゃくちゃおいしいです。肉だけでなく、屋台では飲み物やかき氷、デザートを売っていたりします。基本的においしいので屋台に出会ったら迷わず食べてみてほしいです!
プノンペンで1ヵ月過ごしてみて、やはりこっちの人はいい人ばかりだなぁと思います。(来て2日目にiphone盗られましたが(笑))
まったく言葉が通じ合えないのに、オロオロしていると「どうした?どうした?」とこぞって助けようとしてくれます。市場でも写真を見せれば「あっちあっちー」と教えてくれたり。日時を守らないとか、言ってることとやってることが違うとか、日本じゃありえないことは多々ありますが、めちゃくちゃだからこそなせることなのか…。
ちなみにこちらで過ごしているとだんだん金銭感覚がおかしくなってきます。「5ドル!?高いよ!」ぐらいにはなるんじゃないでしょうか(笑)。
3.サムライカレープロジェクトでなにをやったか?
主にかき氷の屋台販売をやらせていただきました。
知る研修が終わってすぐに屋台が欲しい!とお願いし、次の日に150$で購入。まさかの2時間後に到着し、あるなら売るしかない!ということでさらに次の日には始動しました(笑)。
物を売るのってものすごく難しいです!近くにいたおじさんたちが「2000リエル(50円)ぐらいなら買うよ!」と言っていたので2000リエルで売ったらあまり売れず…。
後々考えてみると近くにあるロシアンマーケットで1500リエルでかき氷が売っているではないか…。そりゃ売れないよね。ということで1500リエルにさげたり、この近くに学校があるから子供がだせる金額で売ったらいいんじゃない?と思い、スモールサイズを作ってみたり。
また、現地の人にどんなトッピングをするのか?どんなトッピングがあったらいいのか?というアンケートをとったところ、イチゴだったりメロンだったり、おしゃれなチョコレートやタピオカなんかまで…。どれも高いしそんなものどこで売ってるんだ!というものばかり。
市場であるか聞いても似たようなもの売りつけてくるだけで欲しいものはないし、全部の要望を聞くのは無理だ…。結局カンボジアで手に入りやすい安い食材(パイナップルやドラゴンフルーツ)を使用することにし、かき氷が大体完成。
しかし、ただのかき氷だけではおもしろくない。普通のかき氷ならロシアンマーケットで買えるし、ここでしか買えないかつ何度も食べに来たくなるようなかき氷を売りたい。と思い、台湾風のミルクフレーバーを作成!牛乳に練乳を混ぜたものでほんのり甘く、結構おいしい。
が、カンボジアは乳製品の値段が少々お高い。8月の最終目標は新店舗オープンだったので、屋台は客寄せという位置付けでした。ということは現地の値段感覚に合わせなければならない…。すると、だいたい2500リエルぐらい…。あれ、原価計算大丈夫?ダメだ!全然利益がない!トッピングとかで何とか嵩増しなければ…。どのぐらいの量を入れれば満足するんだろう?などなど、試行錯誤の日々でした。おかげさまでミルクフレーバー大盛況。リピーターもいたおかげで1~2時間ぐらいで30食いった時もありました。
相手が満足する値段・量・質…いろんな要素が絡み合っているんだなと実感。とても勉強になりました。
新店舗オープン直前からはアルバイト君とカレーを作ったりしてました。なんせサムライカレー、2ヵ月のブランクがある。カレー屋なのにカレーが作れなくてどうする!ということで必死に作っていましたがクメールカレー自体未知の世界。おいしいのかどうかすらわからない…。結局現地の人に教えてもらったほうが早いよね?と思いバイト君メインで作ることにおかげさまでオープンまでに3種そろえることができました。
4.一番印象に残っていることはなんでござるか?
1~2日屋台販売をお休みして、アルバイトの面接を一緒にやらせていただいた時がすごく印象に残っています。
対象は学生だったのですが、ものすごくレベルが高いんです。正直これが一番衝撃でした。英語はペラペラだし、将来なにかやりたいことはあるか?という問いに対して「ビジネスをやりたい」「自分のレストランを持ちたい」「起業したい」などなど、すごく意欲的だと思いました。バイトしている時の様子をみていても、テキパキ動いている。
現在サムライカレーでバイトしている人たちも、言われなくても掃除やらオーダーやらを自分でやっていました。なんだか暇そうなトゥクトゥクのおっちゃんばかり見ていたので、まさかここまでとは…。ここですっかりカンボジアへのイメージは変わりましたね。
5.やり残したことはあるでござるか?
屋台販売で言えば、やっぱりカレーのテイクアウトや、カレーパンの販売などもっと屋台を有効活用できればよかったなと思っています。
目指すところがオープンだったので、ザ・経営!というところまでいけなかったので、実際にお店をやって利益を上げて…もっとお客さんを増やすには…。というところをやれなかったのは残念です。
6.これからやりたいことはなんでござるか?
サムライカレーを経験して、だんだん自分の将来が見えてきた気がします。
やりたいことは小さなことから大きなことまで山ほどできましたが、今回カンボジアの学生にすごく衝撃を受けたように、自分のイメージと実際の状況にものすごくギャップがあると思いました。
自分は世界をまだまだ知らなすぎる。なので、留学やインターンもいいけど、アジアを駆け巡り、ヨーロッパを走り回ろうと思います。もちろん学業はしっかりやります(笑)。
今の時代、情報なんてネットに腐るほどあるけど、実際に自分の目で見て感じること・わかることってたくさんあるんだなと思いました。世界では教育やビジネスがどんなレベルで動いているのだろう?ということを見に行きたいと思っています。
将来は今自分が学んでいることが経済・金融系であるということもあり、そういった部分でサポートできるような職業につこうかな、と思っています。これから2年あるので、変わってくるかもしれないですが、まず日本の企業で勉強し、どこでもやっていけるぐらいのスキルをつけたらもっと大きな企業に入ったり、海外に出たり。どんどんグレードアップしていければいいと思っています。
最後に一言よろしくでござる
研修が終わって帰国。みんなに会うと必ず「なんか変わったね」と言われます。私は決まって「え?そうかなー」なんて答えます(笑)。
でも、本当に自分の根本的な部分は変わっていないと思っています。実は私のサムライカレー、申し込んだときはおもしろそう!しか思ってなかったけど、撃沈から始まったんです(笑)。
2年になって就職活動に向けて準備を始めたある日、ゼミの教授に「あなたは自分をどんな人だと思う?」と聞かれて「無計画で適当なとこですかね…。」とか答えたんです。
「じゃあ自分のいいところは?」と聞かれて何も答えられなかった。自分のことなのにじぶんでなにもわかってなくて撃沈したんですよね(笑)こんなんで大丈夫か…。とか考えてる時に、そういえば、サムライカレー申し込んでた。ということを思い出したんです。
全く知らない場所で、全く知らない人たちと何かやりましょうっていうときに自分はなにができるんだろう?もしかしたらサムライカレーでなにかわかるかもしれない。気持ちを新たにカンボジアにやってきました。今自分のいいところは?と聞かれたら「チャレンジ精神があってタフで柔軟に物事に対応できます」って即答できます。あれ、これ結局一緒じゃね…(笑)。
でもカンボジアでいろいろやって自分に自信が持てるようになりました。
サムライくんからひとこと
自分がやってみたいことをガンガン主張し、それを実行し、結果を出していった岡さん。
トライ& エラー&トライ&エラー&サクセスを1ヶ月間繰り返しまくっていたでござる。
彼女がこんなに積極的になれたのも、同年代のカンボジア人のスタッフの優秀さに刺激されてのもの。
最初は途上国だから…と思っていたものが次々と覆されて行く感覚は、現地に来てからこそ分かるもの。
岡さんにはこれからの大学生活、カンボジア人のスタッフに負けないよう精進して、世界で活躍できる人材になってほしいでござる。