IIサムライカレープロジェクトは、プノンペンのカレー屋でマーケティングから販売までを体験していただく、海外インターンシッププログラムです。
年間100人以上の学生が受講しているプログラムで、全国97の大学から参加、15の大学・専門学校の単位認定プログラムにもなっています。
大学によって他大学と一緒にこのプログラムを受講することもありますが、大学独自のプログラムを我々がアレンジすることもあります。
桃山学院大学の学生には、2018年この様なプログラムをご用意させていただきました。
カンボジアの小学校AI Centerの運営に うどんを売ることで貢献
この愛センターとは、カンボジア・プノンペンにある、日本人を中心に作った、カンボジアの子供たち向けのフリースクールです。
この学校の特徴は、学校の敷地内にAIヌードルという製麺所を併設し、日本からの支援+AIヌードルの収益で運営されているということです。
この学校は、この製麺所が毎月しっかりと利益をあげ、日本からの援助+その資金で学校を運営しているため、10年以上しっかりと経営できており、多くの子供たちが将来の仕事に役立つ学問を学べています。
また、卒業生の一部は、この製麺所で働いています。
とはいえ、一般的な企業は自社で稼いだ金を自社に投資し、従業員を増やしたり、新たな機械を買ったり、工場を大きくしたりして会社規模を大きくして収益を増やしていくのですが、この製麺所は収益の多くを学校に投資してしまうため、なかなか大きくすることができません。
また、使用する機械も経年劣化してしまうため、定期的に大きな投資が必要になり、経営が苦しくなってしまいます。
そこで、桃山学院大学として、「カンボジアの現地小学校・愛センター」を支援し、より多くの児童の学ぶ場を提供するために「製麺所・AIヌードル」を支援することにしました。
その支援の方法は2つ。
1.モノの支援と、2.コトの支援です。
1.モノの支援は、予算の割り当てからスタートします。
桃山学院大学からこのプログラムに参加する学生10人には、本支援に使える予算を支給しています。彼らは、この予算を使って愛センター、AIヌードルを支援することができます。
では、どんな支援をすれば一番彼らのためになるのか?
ここで出てくるのが、サムライカレーの大原則
「自分がいいと思うモノではなく、相手がいいと思うモノを提供しろ」
まずは、大坂の大学とカンボジアの製麺所を繋いで、テレビ会議でインタビューを行います。
彼らが現状困っていることから、どんなモノ、コトが必要かを聞いていきます。
そして、今必要なモノがいくつかあがったら、その価格や売っている場所を調査します。その結果を踏まえて、購入するモノに優先順位を付け、予算と照らし合わせて、購入するモノを選択します。
その結果、買ったモノが
餃子の皮カッター
ミキサー
皮カッターは、高性能なモノは日本でしか売っていないため、日本で買って学生が持ち込み。
ミキサーはでかいので日本で買うと運送費がかかってしまうため、現地で購入。
余ったお金で、子供たちへのプレゼント用にサッカーボールも購入します。
そして、2018年2月、プノンペンへ出発!
さっそく、これらの品を寄贈します。
そして、支援第二段、コトの支援に移っていきます。
我々が、AIヌードルに提供するのは、営業の支援。AIヌードルの製品をより多く現地のレストランに購入してもらうことが目標です。
ここでも「お客さんがいいと思うモノ」を探るために、既存顧客にヒアリングを行います。
ここから、Aiヌードルの売りを考えていきます。
・「信頼」と「品質」が高く評価されているので、既存顧客を訪問すると勝率が高そう
・ミキサー導入により、うどんが作りやすくなったので、既存顧客にうどんを推奨するのはどうか?
今回のプログラム中、Aiヌードル支援にかけられる時間は4日間だけだったため、既存顧客にうどんを提案することになりました。
担当者は、日本人であったり、カンボジア人であったり。そのレストランの対象顧客も日本人であったり、カンボジア人であったり、中国人であったり。
営業先で聞く、各社のニーズはいろいろです。
中でも印象的なのは
「日本人はコシのあるうどんを好むが、カンボジア人や中国人はコシのない、柔らかいうどんを好む」ということです。
そのため、とあるレストランでは、もっとコシのないうどんをという要望をいただき、製麺所のカンボジア人スタッフと、コシのないうどん作りに励んだのですが残念ながら決定的なモノはできず、不採用に。
しかし、主に日本人を対象顧客としている2つのレストランから受注をいただくことができました。
この一連の経験から、AIヌードルが次にやらなくてはならないことも明確になりました。
コシのないうどんを作るための方法を調査する
温度や湿度によって配合を変えるため、温湿度計を用意し、マニュアルを作る
より多くの種類の麺を作るために、切刃を用意するなどなど。
桃山学院大学のこのプログラムは来年も続きます。
今回参加した学生が、この課題を来年の参加者に伝え、来年の参加者がさらなるモノとコトの支援を行う。
こうやって、増えた製麺所の利益が、愛センターに還元され、より多くの児童が学ぶことができるようなる。
モノとコトの投資を継続することにより、世の中が良くなっていくことを、長期的に体感してもらうのがこのプログラムの特徴です。
そして、来年のプログラムの発表資料は、今年のメンバーにも共有され、再来年、5年後、10年後と続いていきます。
1年に一回「あの小さな製麺所が、こんなに大きく」「スタッフのワンナくん、すっかり立派なマネージャになって・・・」「子供たちの数、こんなに増えたんだ・・・」といったことが流れてくる、そんなプログラムになっていくはずです。
その第一歩として、今回の10人のメンバー、素晴らしい成果を残すことができました!
ありがとう!そして、おつかれさまでした!(女性しか映ってませんが、男性も来てます(笑))
学生に、現地の人との交流をしてもらうだけではなく、リアルな課題発見、解決を体験してもらい、投資とは何かということまで学んで頂ける、海外ボランティア、海外支援プログラム。
この様なプログラムにご興味がありましたら、是非ご連絡ください。