就活を題材にした映画「何者」
これは、2012年に早稲田田大学在学中の小説家、朝井リョウが書いた小説を原作にした映画です。
この夏就活が終わったばかりの研修生が「あれは、リアルですよ…」と言ってたことからもわかるように、2010年代の就活の様子がかなり克明に描かれています。
登場人物は、今の大学生にいそうな6人。
この中で、特に特徴的なのが、二階堂ふみ演じる「意識高い系女子」
彼女はアメリカの大学に留学したり、途上国でボランティアをしたり、経験を積み重ねているが故に、自信満々で就活に臨んでいます。
グループディスカッションで「アメリカに留学したときの経験から言うと…」「カンボジアで学校を建てた時には…」といった発言をするシーンも登場するのですが、内定はなかなかとれません。
彼女の何が問題なのでしょうか?
■ボランティアや留学体験をどや顔で話すのは自爆行為
これは、留学やボランティアの経験が、企業に求められているものと微妙にことなることが一番の原因です。
面接官が一番知りたいことは「この人が自分の会社に入ってどのように活躍してくれるか?」ということです。
そして、その活躍が求められる舞台はビジネス、つまり「お客さんにサービスを提供してお金をもらう」ことです。
留学は、お金を払って、サービスを受けることです。
ボランティアは、お金をもらわず、サービスを提供することです。
どちらも、ビジネスとは根本的にちがうことなので、この体験を話されても、あなたがビジネスの世界でどう動いてくれるかがよく分からないのです。
ましてやそれをどや顔で話されても「この人、ずれてるなー」と思われてしまうのです。
我々が運営している海外インターンシッププログラムで、日本のカレーをカンボジア人に売ってみよう!ということになり、無料試食会をすると、カンボジア人の人は「美味しい」と言ってくれます。
しかし、実際に値段をつけて売り始めると来てくれない。
それは、カンボジア人は基本いい人なので、無料でくれた人にはお世辞でも美味しいと言ってくれるのです。
ボランティアであげたものを喜んでもらったり、留学で先生に褒められたりというのは、このお世辞の域を出ない場合が多いのです。
■相手からお金をもらえる人材、それがビジネスで役に立つ人材
ビジネスは、売れないと分かってからが勝負です。
いかにしてお客さんの本音を聞くか、いかにしてお客さんが好むものに改良するかを考え抜き、実行し、お客さんにお金を払ってもらえるところまでたどり着くのがビジネスなのです。
「アメリカ留学の話を書いたエントリーシートは落ちたり通ったりでしたが、サムライカレーのことを書いたエントリーシートはひとつも落ちませんでした」
という卒業生の体験談がそれを物語っています。
ボランティアも留学も、非常に価値がある体験です。しかし、それをそのまま「ビジネス」の力を試される場である就職活動に持ち込むのは効果的ではありません。
就活に臨む人は「お客さんからお金をもらう」ビジネス体験を積んでおくことをおすすめします。
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